2023/04/24

混沌のバイエルン:シュマイケル獲得見送り、ゾマー信頼失墜、そしてウルライヒ投入か

©︎IMAGO/Sven Simon

 確かに土曜午後に行われた1.FSVマインツ05戦では、バイエルン・ミュンヘンは後半64分までは、確かにリードを保っていた。だがそこで同点弾を決められてしまうと、まるでトランプで積み上げたタワーのようにチームは総崩れとなり、特にヤン・ゾマーのミスがマンチェスター・シティ戦での1stレグに続いて今回も大きな要因となってしまった。また前節のホッフェンハイム戦におけるフリーキックへの対応も議論の余地のあるものだが、いずれにしてもこの試合では他の選手たちがらしくないプレーをみせており、ゾマーだけを責め立てることはフェアなこととはいえない。ただそれでもあのミスがより不安を煽り、負の連鎖に拍車をかけてしまったこともまた事実である。

 確かにゾマーの獲得は今冬にマヌエル・ノイアーが、スキー旅行中に下肢を骨折したため急遽、代役として迎え入れられた選手だ。しかしながらキッカーが得た情報によれば、すべてのクラブ首脳陣がゾマーで同意していたわけではないようで、カスパー・シュマイケルに密に連絡をとってオファーを提示する用意もあったという。一方で現在ニースでプレーする36歳も移籍に乗り気で、まさにノイアーの離脱期間となる半年間の契約が見込まれていたのだが、しかしながらユリアン・ナーゲルスマン監督はドイツ語を話せるGKを切望。ハサン・サリハミジッチ競技部門取締役と同じく来季も見据えた補強を目指していたのである。

 その理由はいったい何だったのか?ノイアーの完全復活への自信をもてなかったのか?今冬にはノイアーの長年のGKであるトニ・タパロヴィッチ氏の解任騒動に揺れ、ノイアー自身がクラブへの批判まで口にする展開にまで発展をみせた。それとも首脳陣がそのクオリティへの疑問を拭いされない、ASモナコにレンタル中のアレクサンダー・ニューベルの退団を見据えてのものだったのか?いずれにしても今かんがえるならば、シュマイケルのようなライン際での強さをもったGKの獲得は悪い選択肢ではなかっただろう。解説者のローター・マテウス氏とディディエ・ハマン氏によれば、もはやゾマーには同僚からの信頼さえ失われているという。

 そのため残る終盤ではここにきて、長年ノイアーのバックアップとして期待に応えてきたベテラン、スウェン・ウルライヒが投入されても不思議ではないだろう。そしてノイアーは来季にむけて着実に回復をはかっている。リーグ優勝争いで首位の座を明け渡したドルトムントでは、同じスイス代表のグレゴール・コーベルが守護神としての活躍をみせているところだ。今冬にはバイエルンへの移籍に喜びをみせていたゾマー。だがこのままでは来シーズンのその立場は大きく揺るがされかねない事態へと陥っている。

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