2023/04/27
バイエルン:逸材グラフェンベルフは1年で退団?リヴァプールから関心も

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将来を嘱望される20歳のセントラル・ミッドフィルダー、ライアン・グラフェンベルフはバイエルン移籍初年度では、ここまでブンデスリーガではわずか1試合の先発出場にとどまっており、選手が公の場で移籍希望をちらつかせる中、リヴァプールFCが獲得に強い関心を抱いていると言われているところ。果たして、2027年まで契約を結ぶバイエルン側には、売却に応じる考えはあるのだろうか?
昨夏、アヤックス・アムステルダムから移籍金1850万ユーロを投じて迎え入れられた同選手。このような場合に重要となってくるのは、選手側にとってみれば自らの才能を発揮するため是が非でもアピールする心構えを持ち続けること、そしてクラブ側はその投資が価値あるものとなるように様々な手段やサポートを講じていかなくてはならないということなのだが、ここまでは少なくとも、いずれにおいても中途半端な状況が続いている。
移籍初年度となった今季は、ブンデスリーガでわずか1試合の先発出場にとどまっており、合計19試合出場した中で30分以上にわたってピッチに立ったのは、わずかに3試合のみ。ナーゲルスマン監督からは守備面の問題点について指摘されていたが、バイエルン自体が守備面で特に安定感をみせていたというわけではなかったのだが。そんな中で今週になってグラフェンベルフ側はむしろ、ピッチ上ではなく公の場で自らのアピールを行うことを決断。「1年間、最高レベルのトレーニングやプレーをするというのは、いいことではあるし、勉強にもなるものだけど、でも僕はプレーよりもほとんどトレーニング中心。この状況は来シーズンでは変えなくてはいけないと思うし、また毎週ピッチに立ちたいと心から思っているんだ」と母国オランダの『Voetbal International』のインタビューで語っている。
それでは2027年まで契約を結ぶバイエルン側には、果たして移籍に応じる考えはあるだろうか?現時点では、このダイナミズムをもった若手MFを、わずか1年で完全に手放す用意は特にない模様。しかしながら選手自身が移籍を強く希望し、そしてそれなりのオファーが届いた場合にはわからない。特にリヴァプールFCがグラフェンベルフに強い関心を抱いているといわれており、そうなれば獲得に投じた金額以上のものを手にいれる可能性は高いはずだ。「首脳陣とは特に話はしていないし様子見だね」とグラフェンベルフ。そこでは最近就任したばかりのトーマス・トゥヘル監督の意向も大きな影響を及ぼすことになるだろう。先日のマインツ戦では1−3とリードを許す中で、キミヒと入れ替え25分ほどプレーしていた。とりわけここのところはキミヒ/ゴレツカの中盤はそこまで機能しないこともしばしば見受けられており、グラフェンベルフとしてはまず自身の手でこのチャンスをものにするための気概をみせなくてはならない。
へーネス名誉会長が突然の訪問
なお3日間のオフを経て再開されたバイエルンの水曜日の練習では、特別な状況には特別なことが必要だと考えたのだろうか、珍しくウリ・へーネス名誉会長の姿も見受けられた。そこでトゥヘル監督と身振り手振りを踏まえながら、25分間ほど意見交換を行い、その場を離れている。とりわけドイツ杯やCLではまたしても早々に姿を消し、10連覇中のリーグ戦も残り5試合で首位陥落を喫したバイエルンにおいて、このナーゲルスマン監督時代には見受けられなかった光景は、特に長年クラブ経営に携わり、今も相談役会で大きな影響力をもつことを踏まえても、改めて現状の問題の大きさが如実に表されたものともいえるだろう。