2023/04/29

シュポ=モティング欠場も、テル先発に慎重なトゥヘル監督。ウパメカノとデイヴィースも欠場

©︎IMAGO/Ulmer/Teamfoto

 日曜日に迎える最下位ヘルタ・ベルリンとの一戦において、首位陥落を喫したバイエルン・ミュンヘンとしては、是が非でも
勝利を手にすべく得点を重ねていかなくてはならない。それに木曜日に18歳の誕生日を迎え同僚らから祝福を受けていたマティス・テルが、先発のチャンスを手にしていく可能性はあまり高くはないようだ。「今。彼にチャンスを与えることが、プラスかどうかが問題となるよ」と、トゥヘル監督は金曜日にコメント。「彼に責任を負わせ、救世主となることを望むべきではない。より経験豊富な、以前からこういう状況に対処してプレーしてきた人間であるべきだろう。18歳CFとして即座に活躍してもらえるためには、もっとやりやすい状況というものがある」と語った。

 確かに前任者であるナーゲルスマン監督もみていた、その「物おじしない」プレーへの期待値はあっても、「それで短時間の出番ですぐ得点するようなものでもない。それに先発に入るには、もっと継続性をもった明確なアプローチというものが必要なんだ。」と強調。「いまは、とりあえずジョーカーとして。自分が起用され、得点に直接絡み、試合運を味方につけて、思いっきりプレーしていける。そうなれば、準備は万端だよ。無論、それが必ずしも正解といえるものではないかもしれない。それでも普通考えれば、まだだろう」と言葉を続けているが、確かなことはエリック=マキシム・シュポ=モティングが膝関節の炎症で再離脱、サディオ・マネはマインツ戦で得点を決めたとはいえ先発をアピールするほどのものは、まだみせていないということだ。

 さらにダヨ・ウパメカノも今回のヘルタ戦で欠場。こちらも最近では不安定なプレーをみせていたが、練習中に筋損傷をかかえ2週間ほどの欠場が見込まれているという。さらにアルフォンソ・デイヴィースが筋束の負傷のために欠場するため、今回の試合では左サイドにジョアン・カンセロ、右サイドにヌゼア・マズラウイを起用し、ベンジャマン・パヴァールとマタイス・デ・リフトがCBコンビを形成することになる。中盤では膝の打撲を抱えていたレオン・ゴレツカは出場可能、ただキミヒとのダブルボランチではジャマル・ムシアラが起用され、トップ下にトーマス・ミュラーが入るという形も考えられる。金曜の練習では背中の問題で参加を見合わせた、キングスレイ・コマンも起用可能だろう。

トゥヘル監督、マズラウイのインタビューを意に介さず

 特にマズラウイに関しては先日に出場機会の少なさへの不満をメディアに公言していたが、このことについてトゥヘル監督は「特に読むわけではないので、何かに苛立つこともない。そもそも選手としてはインタビューより、パファーマンスで結果を残すべきだろう」と指摘。「私も彼の活躍に期待しているし、彼が押しのけてプレーすることになれば即ち、トップディフェンダーが手に入っているということになる。それは素晴らしいことだよ。」と述べ、「誰にでもアピールのチャンスはある。それが私からのメッセージだ。その上で我々は最大限のサポートを約束するし、ぜひとも積極的にチャレンジしてほしいね」との考えを示している。「バイエルンでは熾烈なのだ。仮に5分のプレーでもそれをものにできるくらいじゃないと。それがこのクラブにいるということ。いかなるときにもトップパフォーマンスが要求される」

選手たちの奮起を促す、トゥヘル監督

 前節マインツ戦での敗戦後には、心身ともに「疲労」を口にしていた、トゥヘル監督。この日の会見ではパフォーマンスの一貫性の不足について問われ、「我々に欠けている一貫性というのは、過密日程における一貫性についてだ。それは気持ちだけでなくエネルギーやフレッシュさもなくてはならないもの」と返答。身体的には少なくとも3日間の休養を与えたことで、今回の試合ではそれは言い訳にはできないだろう。ただ精神的な部分に関しては、「自信が失われているとまでいわないが不足している」と、今は「明確化について取り組んでいる」という。「反応がみられるよう手を尽くすよ。謙遜の気持ちをもち過度な期待は持たず、恥ずかしがることなく対等な立場でゲームに取り組み、1秒1秒に心を込めてプレーし勝利すること。今はなにも簡単にいくことなんてないんだ。とにかく結果を出さないといけない。今のままでは成功なって得られない。ステップアップしないと。それがこの試合で必要だ」

へーネス会長の突然の訪問の理由について

 そんな中で水曜日にはウリ・へーネス会長が練習場に現れ、そこで指揮官と熱心に身振り手振りで語っていたことが話題にもなったが、このことについては「週末に誰を使うんだ?と知りたがっていてね」と冗談で返したトゥヘル監督は、実はたまたまのことでたまたまへーネス名誉会長を自分がサポートすることがあったので、手伝うためにピッチで一緒になったんだ」とのこと。そもそも「建物にいれば彼がやってきて意見交換することもあるし、彼にとってのクラブでもあるんだから気にかけたり、意見交換をするのは当然の事。」と説明。身振り手振りのあの姿は「熱い2人がピッチでサッカーについて意見交換すれば、時に感情的にもなるもの」と述べている。最終的にそれが檄を飛ばすことになったかはわからないが、ただトゥヘル監督は水曜と木曜に行われた練習に、「とても満足している」と語った。

最下位ヘルタは8選手が欠場

 
 今季すでに17敗を喫し最下位に沈む、バイエルンと対戦するヘルタでは、さらに人事面でも頭を悩ませているところ。スアト・セルダーとマーク=オリヴァーケンプは出場停止、負傷離脱中のステヴァン・ヨヴェティッチとマルトン・ダルダイ、マルコ・リヒター、ケリアン・エンソナに加えて、内転筋の問題を抱えるケヴィン=プリンス・ボアテングも欠場。規律面での問題によりイヴァン・スニイッチは出禁処分中にある。あまりに過酷な対戦カードを前に、厳しい人事状況に置かれてしまったパル・ダルダイ監督だが、その後にはシュトゥットガルトやボーフムとの下位直接対決も控えており、残留への希望をつなぐためにも「我々にとって非常に重要な試合。是が非でも勝ち点、1つでもとても大事になってくるものだ」と勝ち点確保に向けて闘志を燃やしてているところだ。

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