2023/07/25
バイエルン:ケインら大型補強予定でもなお黒字化の流れ、キミヒからは残留宣言

©︎AFP via Getty Images
黒いショートパンツに白いTシャツ、そして黒いキャップという出で立ちで、トーマス・トゥヘル監督は東京、国立競技場の芝生の上に立ち、腕組みをしながら、バイエルン・ミュンヘンの選手たちを見つめていた。時計は常に視界にあり、ホイッスルは首にかけられ、時には手に持ちかえながら短いパスワークの精度に磨きをかける。今回の目的は明白だ。いいトレーニングを行い、いいプレーをみせて、そして「一歩一歩前進させていくこと」
その一方でピッチ外におけるチームの強化、つまり移籍に関しても7時間の時差はありながら決して余念などない。ミュンヘンに残っているヤン=クリスチャン・ドレーセンCEOが全ての状況を把握しており、「時差は全く関係ないし、どうなっていくのか見守っていくことになる」とコメント。2人のイングランド代表選手、ハリー・ケインとカイル・ウォーカーがそのターゲットということになるが、指揮官は決して多くを語ろうとはしなかった。
キミヒ「今シーズンもバイエルンでプレーする」
ただ加入する選手がいれば、逆に出ていく選手もいるということ。そこで注目される選手の1人がドイツ代表、ジョシュア・キミヒということになるが、ただいずれにしても「今シーズンも僕はバイエルン・ミュンヘンでプレーすることになる、それはかなり確信をもっていえることだよ。他のプランは僕は考えていない」と断言。そして今回のアジアツアーと来たるマンチェスター・シティとのテストマッチの機会を心待ちにしていた。
グアルディオラ監督「我々もウォーカーのために戦う」
そしてそこでは奇しくも、そのカイル・ウォーカーとテストマッチで直接、対峙するところであり、 マンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督は古巣との一戦を前にして、改めてウォーカーは「世界でも見つけるのが難しい、特別な資質を持った、我々にとって信じられないほど重要な選手」だとの評価を強調。「バイエルンがそうであるように、我々も彼のために戦っている。しかし、これがどこにつながるかはわからない」と言葉を続けている。
バイエルン大型補強敢行も、あくまで健全経営
そもそも1億ユーロともいわれるケイン含め、バイエルンにとってその獲得資金調達という問題はどうなのか?ただそこはすでに目処がつきはじめている。ドルトムントからMFも可能なオールラウンダー(ゲレイロ)を無償で確保しつつ、逆にサビッツァを2000万ユーロ弱で売却。エルナンデス資金はキム・ミンジェで相殺される中で、バイエルンはパヴァール、ゾマー、マネ、ティルマンら有力な売却候補が控えているところ。サビッツァ資金も加えながら、たとえ異例の大型補強をこの夏の敢行してもなお、黒字化させることさえは十分に可能だろう。
シュポ=モティングもアジアツアー不参加
だが主将マヌエル・ノイアー、副主将トーマス・ミュラー、そしてドルトムントから加入したばかりのラファエル・ゲレイロは、それぞれ負傷を抱えているために遠征には不参加。さらにエリック=マキシム・シュポ=モティングの姿も見受けられなかった。同選手は先日のテストマッチで膝の問題のために途中交代を余儀なくされており、これまでにも膝に問題を定期的な抱えていたこともあって参加を見合わせたとのこと。そのためCFでは若手マティス・テル、セルゲ・ニャブリ、そして同じく日本ツアー中のアル・ナスル移籍が取り沙汰されているサディオ・マネが務める予定だ。
マネ、まだサウジ移籍の用意はなく・・・
バイエルンではその期待に応えきれず売却候補となっているマネは1年で構想から外れ、ただサウジ2クラブから関心が寄せられるも選手本人にはまだ受け入れる用意はなく、ただ欧州内における選択肢は現時点ではまだ見通しは厳しい。そんな複雑な状況にあっていまは、とかく欧州市場の推移をみまもりつつ、マネもバイエルン首脳陣も辛抱強い対応を心がけることがベストであり、それを両者ともにしっかりと理解しながら新シーズンに向けた準備を進めているところ。