2023/07/29

バイエルン:川崎フロンターレ戦でみせた、気になる3つのポイント

©︎AFP via Getty Images

 バイエルン・ミュンヘンは水曜夜に東京で行われた川崎フロンターレ戦をもって、この夏のアジアツアーの第一部を終了した。明日日曜日の現地時間10時40分に日本から今度はシンガポールへと飛び立ち、およそ7時間のフライトで到着予定。8月12日に控える今季最初の公式戦、DFBスーパーカップに向けた前哨戦は水曜のリヴァプール戦で行われることになる。ただ日本における2試合のテストマッチについても、大きな変化の最中にあるバイエルンにとっては大いに注目されるものであり、特に目立った点をあげるならば2試合ともレオン・ゴレツカがベンチスタートであったこと、そしてキム・ミンジェの先発デビューにより下がったのが、移籍希望を公言しているベンジャマン・パヴァールではなくダヨ・ウパメカノであったということだ。さらに今回の川崎フロンターレ戦では先日のマンチェスターC戦で得点を決めていた、若手FWマティス・テルキングスレイ・コマンに代わり先発出場。

 その立ち上がりにバイエルンはそのキムが10メートルほどの距離から、大南拓磨にシュートチャンスを与えるなど、結局は失点にはならず幸運に恵まれたが、アグレッシブなJリーグの雄を前に守備陣が何度が苦しむ場面も。ただ5分が経過したころあたりから徐々に落ち着きを取り戻し、3人(キム、グラフェンベルフ、パヴァール)によるビルドアップと、キミヒとライマーによるダブルボランチ、そしてトップのテルの背後にサネ、ニャブリ、ムシアラ、デイヴィースを配置した布陣で、守備時にはデイヴィースが下がる形での4バックで対応。攻撃面では前半10分と11分に相手PA内で危険なプレーをみせており、なかでもテルが放った3つのシュートはGK、ポスト、またGKに阻まれてしまう。ただ浮き足だった立ち上がりちは異なり、キムはすぐに安定感をみせ、ビルドアップに積極的に参加する様子が見受けられた。パヴァールと同様に非常に堅実で集中力があり、中盤ではライマーやより守備的な役割を担うことでキミヒに自由度が生まれ、1本のシュートとCKに繋がるスプリント以外は見せ場のなかったサネに対し、バイエルンは主に左サイドからムシアラデイヴィースのコンビとニャブリを経由しテルに繋いでいく。

 後半ではトゥヘル監督は予想通り9人の入れ替えを敢行。残ったのはインテル移籍が取り沙汰されるヤン・ゾマーと、金曜日に風邪のため参加を見合わせていたテルが続行しており、そのゾマーは後半立ち上がり早々に出番を迎えることになるも、その10分後にバイエルンはグラフェンベルフスタニシッチによる見事なコンビネーションプレーから先制。ダブルパスを通して後半57分にバイエルンへリードをもたらしている。ただ川崎も反撃を試みており、山田の6メートルの距離から放たれたシュートは惜しくもゴールネットを揺らすには至らず、逆にバイエルンではイブラヒモビッチには2-0にするチャンスが3度あったが、絶好期にも決めきれずそのまま試合終了。この試合を見守ったトゥヘル監督の目には、90分間を通じてあまりに多くのチャンスを川崎フロンターレに許すなど、幾つかのだらしないプレーに不満も感じられたようだが、それでも4万5289人もの大観衆の前で今回日本で、ひとまずマンチェスター・シティ戦での敗戦後に勝利で東京を後にできることは何よりものことではあるだろう。

川崎フロンターレ0−1(0−0)バイエルン・ミュンヘン】GOAL:スタニシッチ(57)

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