2023/07/29
日本でトゥヘル監督が示した、18歳FWマティス・テルへの大きな期待

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17歳の若武者として仏1部スタッド・レンヌから昨夏に加入した、マティス・テル。その移籍初年度ではブンデス22試合に出場して5得点をマークするなど、良いプレーを覗かせた一方でまだまだプロの世界でやっていくには改善すべき点も山積みだ。それでもテルのもたらすプレーを評価するトーマス・トゥヘル監督は、武者修行に出すか否かについてまだ時間をかけて判断していきたいと考えている。
金曜日には風邪のために宿泊先にとどまっていた同選手を、宣言通り今回の川崎フロンターレ戦では先発として起用した指揮官は、「マティスはやるべきことをしっかりとやってくれているんだ」と評価。「とても熱心に練習にうちこむ素晴らしい若者で、ただこれからまだまだ学んでいかなくてはならないよ」とコメント。今回の川崎戦では10分から立て続けに3度の好機を逃したとはいえ、それでも精力的に動き回りクレバーにスペースをカバーし、相手PA内ではタッチのうまさもみせるなど、バイエルン首脳陣としては今後テルのみせる成長を見極めていく必要があるだろう。
特にテル側が昨季はリーグ戦わずか1試合の先発にとどまっても、代理人からあくまでバイエルン残留希望しか口にされておらず、レンタル移籍はむしろ論外だと強調。テルは自ら選んだこの道を突き進むことだけを考え、「苦労なくして何も手に入るものではない」という意識をもち日々集中して取り組んでいるところ。そんな姿勢をバイエルン内では高く評価しており、それに加えてまだハリー・ケインの獲得の見通しなど、バイエルンの攻撃陣では不確定要素が少なくない。
「テルはチャンスを求めて戦いを挑んでいる。だからもしもそこに変化があるとしても、それは移籍期間のだいぶ後ということになるだろうね。(もしそうなるなら)間違いなく話し合うことになる。ただ私は基本的に彼にはとても満足しているんだ」とトゥヘル監督。フィールドプレーヤーとして唯一この試合でハーフタイム以上をプレーしたテルは、マンチェスターC戦とは異なりこの日はゴールという結果に恵まれこそしなかったものの、それでも今後を期待させる片鱗はみせており、あとは経験値をどう高めていくのか。ただ確かなことはテルが、バイエルンで成功していく資質は確かなものがあるということだろう。