2023/08/14
ハリー・ケインがバイエルンの入団会見「1億ユーロはとてつもない金額」

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バイエルン期待の新ストライカーは、すでに前日にはそのデビュー戦を終えた、新たな本拠地アリアンツ・アレナに詰めかけた50人のライターらとの入団会見の席に座った。そこには身重の妻や、自身とそっくりな弟など家族の姿もみえており、まず冒頭に「サーヴース」とバイエルンの方言で挨拶すると、「この難しい言語」について今後週1・2回のレッスンで学んでいく考えを明かしている。ただ最終的にこの移籍が実を結ぶものかどうかの判断は、無論ドイツ語能力の進展具合ではなくゴール数、タイトルという数字によるもの。とりわけ「1億ユーロというのはとてつもない金額だ。すこしでもそれに応えていければいいけど」と述べているように、その期待値は決して低いものではない。「ただ僕のプレーは得点するだけではないけどね」
そして改めてこの夏に12年間過ごしたトッテナムを後にし、そして新天地としてバイエルンを選択した理由について、「僕は常に自分のキャリアの進展を目指してきていたし、最高レベルでプレーをして、自分の限界を超えたいという気持ちがあったんだ。それに他国の文化やリーグを知らないまま、キャリアを終えたくはなかった気持ちもある」と説明。またトーマス・トゥヘル監督とはとても良い話し合いができたことを明かし、また4歳年上のトーマス・ミュラーからは歓迎を受け、ゴルフにも誘われたとのこと。すぐにチームに深く馴染んでいくことへの意欲も示す。またファンからの歓迎にも「ファンタスティック」「マジカル」な経験だったと振り返り、今は指揮官から先発を保証されたブレーメンでのブンデス開幕戦を心待ちにしているところ。
ただその一方でDFBスーパーカップではライプツィヒを前に、いいところなく0−3と敗戦を喫することになったのだが、ただこちらについてはヤン=クリスチャン・ドレーセンCEOは特に危惧する様子はなく、「我々はどの大会においてもタイトルを十分争える力をもっている」と強調。そして改めてトッテナムのダニエル・レヴィ会長とのケインをめぐる困難な駆け引きについて、「我々の方がハリーに対して疑問をもったことはない。しかしこの移籍自体が実現できるかに疑問符をもったことはあっ」と述べ、「レヴィ会長はとても友好的な人で、自身が求めていることをしっかりと理解して行動する人物だ」と評価。その結果バイエルンはブンデス史上初となる1億ユーロ超えの獲得を実現することになる。
ドレーセンCEO「ケパが土壇場でレアル行きを決めなければ」
「ただこれはあくまで例外的な措置でしかないよ」とドレーセンCEOは強調。つまりバイエルンの哲学を変える移籍ではなく、むしろバイエルンとして「時に大きなことを望むには、さらに手を伸ばすが、ただ決して合意性を失わない」ことに基づいた結果であり、今回の大型補強にも関わらずさらにトゥヘル監督が求めるボランチ、そして新たなゴールキーパーを獲得するための資金も、しっかりと確保されていることも明かした。おそらく本来ならば同氏はケインの横に、その新GKとしてケパが座っていることも期待していたことだろう。「彼が土壇場でレアル行きを決意していなければ、近く新戦力として紹介したかったのだが」と同氏。
昨年末に下肢に複雑骨折を負ったマヌエル・ノイアーは、現在回復はみせているもののまだ復帰時期は不透明で、その代役として迎えていたヤン・ゾマーは先日アンドレ・オナナが移籍したインテル・ミラノに移籍。その穴埋め役としてチェルシーからケパ獲得を模索したものの、先日ティボー・クルトワが前十字靭帯断裂を負ったことで急遽GK模索に入った、レアル・マドリードへの移籍を決意している。「他にもオプションはあるよ」とドレーセン氏。おそらくその1人はヘロニモ・ルジだろう。これは同選手の代理人でかつてバイエルンでTDを務めていたミヒャエル・レシュケ氏自身が認めたものだ。ただ土曜日の試合で31歳のアルゼンチン人選手は肩を負傷。そのため予定変更となる可能性はまだ残されている。
「おそらくマヌエル・ノイアーは今年の後半になって戻ってくることだろう。彼自身、とても自信をもって取り組むことができている。ただこういう負傷の場合はあまり見通しについて口にできないところがある。だからバックアップGKを確保しておく必要があるんだ」と話すが、いずれにせよ開幕戦ではウルライヒ、そして若いトム・リッツィ・ヒュルスマン(19)という布陣で臨む見通し。「スヴェン・ウルライヒというGKがいることを強調しておきたい。彼は過去に何度もそれを証明してきた。ライプツィヒ戦で負けたのは、スヴェン・ウルライヒがうまく守れなかったからではない。スヴェンがいてくれて本当に良かった」とドレーセン氏は語った。