2023/08/18

不甲斐ない敗戦、負傷、右SBとGKに不安を抱えつつ開幕戦迎えるバイエルン

©︎picture alliance / SvenSimon

 ヴェルダー・ブレーメンとのブンデスリーガ開幕戦においては、バイエルン・ミュンヘンではトーマス・ミュラーの復帰が見込まれる一方、ブナ・サールやセルゲ・ニャブリに加え、ヌゼア・マズラウイらは負傷を抱えているために「少し疑問符がつく」とトゥヘル監督は明かした。特にマズラウイに関してはDFBスーパーカップで、不調だったベンジャマン・パヴァールから後半に入れ替わり活躍しただけに気がかりなところ。とりわけ右SBに関しては昨季バイエルンが合計15回ものPK献上をする中で、最多となる4つをパヴァール、3つをマズラウイがおかしており、今回もムシアラのハンドで献上したPKが決定的な失点に。この夏に改善をはかりたいが契約最終年度を前にパヴァールにはインテルやマンU移籍、夏は順調だったスタニシッチにもレンタルの可能性が指摘されており、カイル・ウォーカー獲得が頓挫しキミヒのスライドの可能性も指摘される中、いまだ不透明のまま。

4バック起用に頭を悩ませる、トゥヘル監督

 そもそもトゥヘル監督は現時点では4バックの布陣を決めかねており、守備の要と期待がかかるマタイス・デ・リフトはまだ「万全ではない」状態で、またエルナンデスの後釜として今夏加入のキム・ミンジェもチームに溶け込んでいるところ。モナコとのテストマッチより先日のRBライプツィヒ戦の方が安定感は見えた。「新天地で言葉も何もかも違うのだから簡単にはいかんさ」と指揮官。それでも英語でのコーチングなど「リーダータイプ」としての素質も感じているという。一方でダヨ・ウパメカノについてはCB陣の中で唯一無事に描き準備期間を過ごしており、ライプツィヒ戦で安定したプレーをみせた。逆に右SBではパヴァールは不安定だったものの、前述のマズラウイの出場に疑問符がつくため右SBについてもブレーメン戦での先発は見えない。

トゥヘル監督、ケインを絶賛。「敗戦を発奮材料に」

 その一方で先週にトッテナムから獲得したばかりのハリー・ケインについては疑問はないようで、むしろその言葉からはピッチの内外での影響力、内面性、プロフェッショナリズム、自制心と敗戦後の気迫のこもった練習など絶賛の嵐が。「練習では先陣を切り、ベンチスタートでも決して不平不満を示すことなく、むしろそれを発奮材料にトレーニングする。それが結果へとつながり彼の価値を高めているんだ。それがこの世界で偉大な存在となっている、ハリーという人となりだよ。彼は確実に周囲の選手たちをより良くしてくれるはずだ。」と言葉を続けた。特に先日の不甲斐ないスーパーカップでの敗戦に「やってきたことがあまりにできず大きなショック」を受けた指揮官としては、就任から3ヶ月で思うような進展がみられず「失望は大きく木曜日に考えを率直に伝えている」ものの、「監督として常に継続性をもって万全の準備をして試合に臨むということ。コーチ陣として常に挑戦し最善をつくしていく」しかない。

ドレーセン氏、ケイン獲得は「誇らしいという言葉は変だが・・・」

 長期交渉の末にケインを迎え入れたドレーセン氏は、「誇らしいという言葉は変だが、イングランド代表手法をドイツに、ブンデスリーガに呼び寄せることに成功したことをとにかく喜んでいる。これは素晴らしい話で、ブンデスリーガの魅力を再認識させるものだ。ただこれは明らかに我々にとっては限界点を突破したものではあるがね」とコメント。移籍金1億ユーロをはじめてドイツで突破したことはあくまで特例で「それでも構わないと感じている。なぜならば手にした収入のみを使うという信念があり、ここ数年では積み立ててきたものがあったから。今回は良い投資だと思っている。トップレベルのストライカーを手に入れたんだよ」と述べている。特に前任者であるロベルト・レヴァンドフスキは、バイエルンが欧州三冠を達成したとき、32歳という年齢で全盛期を迎えていた。それゆえ「まだケインは30。体調は万全だろう。素晴らしい選手だし、ピッチの内外における姿勢は本当に素晴らしいものがあるよ。それに本当にフレンドリーなんだ」と評価した。

ノイアーが順調に回復、GK補強はウルライヒのバックアップにシフトチェンジ

 さらにチームの強化としてその存在が期待されているのが、長期離脱中のマヌエル・ノイアーである。この夏はGK補強を目指すもケパはレアル移籍、ルリはアヤックスで重傷を負い長期離脱、オルテガ・モレノはマンC側が移籍に難色するなかで、ノイアーは順調に復帰への道を歩んでおり、「まだチーム練習復帰の見通しなど確実なことはいえないが、ここ2週間彼のリハビリをみて専門家ではないがとても好印象を受けている」とトゥヘル監督。「早ければ数週間でチーム練習」という見込みは新たなGK模索にも影響しそうで「マヌが戻るまでの時間と休みを与えられる」選手として、いまはイスラエルU21代表ダニエル・ペレツ(マカビ・テルアビブ)獲得で合意に達したとメディアで報じられた。イスラエルのテレビ局『Sport5』によれば昨年末にA代表デビューし、今夏はU21欧州選手権でドイツ相手に活躍をみせた23歳と4年契約を締結。ノイアー復帰までウルライヒのバックアップを務める予定。

【先発予想】

なおこの試合の主審を務めるのは、フェリックス・ツヴァイヤーFIFA審判員。昨季ブンデスリーガで合計14試合を担当し、60枚のイエローカードと1枚のレッドカードを出している(キッカー採点平均3.25)。その中にはバイエルンの2試合とヴェルダーの1試合が含まれており、その中でバイエルンはシャルケに勝利(2-0、kicker採点2.0)するも、マインツには敗北(1-3、kicker採点1.5)。またブレーメンはアウクスブルクに敗北(1-2、kicker採点2.5)を喫している。

ブレーメン:パヴレンカ – ピーパー, シュターク, フリードル – ヴァイザー, C.グロース, A.ユング – ビッテンコート, ステージ – フュルクルーク, ドゥクシュ

バイエルン:ウルライヒ – パヴァール, M.-J.キム, デ・リフト, デイヴィース – キミヒ, ライマー – L.サネ, ムシアラ, コマン – H.ケイン

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