2023/08/19

トゥヘル監督、ハリー・ケインのゴールは「いかにもFWという感じ!」

©︎IMAGO/ActionPictures

 バイエルン・ミュンヘンはヴェルダー・ブレーメンから4−0と大勝をおさめ、ブンデスリーガ2023/24シーズンを白星でスタートすることに成功した。試合後トーマス・トゥヘル監督からは多くの賛辞が選手たちへと贈られている。

 試合後の会見に立つ指揮官の姿は、明らかに6日前のときよりもずっとリラックスした様子だった。バイエルンはヴェルダー・ブレーメンに4−0と圧勝し、61回目を迎えたブンデスリーガ開幕戦で勝利。「浮き沈みは特にみられていなかったね」と、DAZNに対して語ったトゥヘル監督は、その要因としてパフォーマンスの向上を指摘している。「集中力、エネルギッシュさ、コンパクトさ、献身性といった点において高いレベルの試合を目にすることができたよ」

 逆に開始早々にサネに先制点を許したブレーメンからみれば、少なくとも追いつく場面は3度はみられていたものの、いずれもフィニッシュの部分で精度を欠いてそのチャンスを活かすことができていない。「セカンドボールを失うなど、少しずさんなところもみられていたね。あの10分間については一致団結してなんとか乗り切ったという感じだよ。」

 そして74分まではどちらに転がってもおかしくはない展開になったが、そこでハリー・ケインが加点してダメ押し。サネの先制点もアシストするなど、先発デビュー戦から一発回答を演じてみせたイングランド代表だったが、ただ筋肉系の問題のために終盤で交代した。

 「ケインのゴールは、まさにフォワードらしいゴールという感じだったね。」とトゥヘル監督。「ゴールキーパーがどのコーナーにシュートが来るのか、それを判断しにくいように時間をかけてショットを放っていた」と解説した通り、相手GKパヴレンカが手玉にとられたブレーメンはそこで力尽きることになる。「我々は無失点に抑えながら、そしてリードを奪うことができていた。それはとにかくいいものだよ」

 そのケインは試合後、DAZNに対して「新しいクラブで良いスタートを切りたいと思ったから、胃の中がチクチクとしていたよ」と明かし、「でもピッチの上では本能が支配して、自分のプレーをした」と説明。ただ「自分にとっては良い夜となったけど、タフな試合だったよね」とも付け加えた。

 またキミヒは「ケインはコンビネーションを図る意味だけでなく、決定力もあって、お膳立てだってできる選手。リロイの得点にも見られたように、ただ飛び出してゴールを決めるだけじゃないんだ。他の選手たちのために場面を用意してくれるよ。ハリーのクオリティは非常に高いので、相手は彼に集中しなくてはいけなくなる。トータルパッケージでみて僕たちにとって非常に良い存在となるよ」と述べている。

 なお今回の試合でダブルボランチは、夏の準備期間では主に後半からの投入となっていた、レオン・ゴレツカがジョシュア・キミヒと形成。ブレーメンのカウンターアタックに対峙しており、「総じて見て試合中、相手にこれといった得点チャンスはなかったと思うよ。ただ後半立ち上がり10分は相手がよかったから、もっとはやく追加点を取るべきだったろうけどね」とキミヒ。トゥヘル監督は「2人とも今日もよくお互い見守りあっていた」と評価した。

 一方でボール回しという点でみれば、新戦力も少なくない状況からまずは慣れる必要があり、「中盤の選手たちの特徴としては、よく動き、よく絡み、よくコンタクトをとっていくことにある。そこを軸にしてゲームが展開していくことは明白であり、そこでまだ我々は十分に対応仕切れていない」と指揮官は説明。その慣れていくための時間を、この2人に与えるべき論拠はこの試合では示していたといえるだろう。

 温かい目で見守るという点では、マヌエル・ノイアーについても同様だ。トゥヘル監督によれば同選手はこれから2・3週間ほどでチーム練習復帰を見込んでいることを明かしており、「ずいぶんと予後は短縮されている」とその表情は明るい。それまではスウェン・ウルライヒが、これまで同様頼れるバックアッパーとして代役を務めていく。

 この夏より一時的に現場に復帰しているウリ・へーネス名誉会長は、「素晴らしいチームパフォーマンスだったね。全体でいいプレーを見せていた」と総括。確かにセットプレーやオフェンス面でのすさんさ、動きのミスや好機を逸するなど阿吽の呼吸にも問題はあるとはいえ、それでもポジティブな要素が上回っていたことは確かだ。トゥヘル監督は「非常に満足しているし、新シーズンに向けまずは第一歩と捉えている」と強調した。

得点:0−1(4分、サネ)、0−2(74分、ケイン)、0−3(90分、サネ)、0−4(90+4、テル)

ブレーメンの先発:Pavlenka – Pieper, Veljkovic, Friedl – Weiser, Lynen, A. Jung, Stage, Bittencourt – Füllkrug, Ducksch

バイエルンの先発:Ulreich – Mazraoui, Upamecano, M.-J. Kim, Davies – Goretzka, Kimmich, L. Sané, Musiala, Coman – H. Kane

 

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