2023/08/26
ハリー・ケイン獲得前夜を振り返るへーネス名誉会長「レヴィ会長が米国に休暇にいくなんて」

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バイエルン・ミュンヘンとトッテナム・ホットスパーにおける、ハリー・ケイン移籍をかけた交渉劇は困難を極めることになった。最終的にはブンデスリーガ史上初となる1億ユーロ超えで迎え入れることになるのだが、バイエルンのウリ・へーネス名誉会長は「ワールド・オン・サンデー」とのインタビューの中で、「クラブの最重要選手でイングランド代表主将を務める、ハリー・ケインが移籍を求めているのに自分は休暇でマイアミに向かうというのはどうだろうね」と当時について振り返った。「それによって交渉は更に複雑化していったよ」
バイエルン首脳陣は時差のために巨額の移籍金交渉を真夜中に行うことさえ強いられることに。もともとタフな交渉人として名高いレヴィ会長は、「古いトリック」を用いてか「すべてが明確となったころ、真夜中に口頭での合意に至ったのだが、今度は午前2時50分ごろになって再び問題が提起され、そしてその夜にまた金額が大きくなっていったんだよ」とへーネス氏。「その時だね、ドレーセンCEOが「もうビタ一文くれてやらん!」と言い放ったのさ」と回顧する。「我々もまた限界にまで達していたのだよ。」
結局この日の駆け引きは6時間にまでおよび、「我々も決して引くことはなかった。そしてその日の朝にハリーを待っていた飛行機が離陸できるという目処がついた」のだが、結局はロンロン発ミュンヘン行きの飛行機は数時間の遅れが生じ、バイエルンが獲得を発表したのは8月12日のこと。なおケインからもプレッシャーをかけられていたようで、「その日の朝にハリーから、もしも夕方までに答えが出なければ日曜の試合にでる。そしてトッテナムとの契約は更新せずに来夏にフリーは行くつもりだと話していた」。
最終的にバイエルンは契約最終年度にあった30歳のストライカーの獲得に、トッテナムに対して1億ユーロを超える金額を渡すことになるのだが、ただへーネス名誉会長によれば正確には「絶対に支払わなくてはならない金額は1億ユーロを下回るものだ。でもタイトル獲得などによってさらに増額する仕組みにはなっているがね」と説明。ただいかにへーネス氏が「億」という言葉を避けたいと考えていても、それでも先日のケイン獲得に際してドレーセンCEOは、くり返し「億」という言葉を多用している。