2023/08/29

バイエルンが新スポンサー発表も、再び人権問題が再燃。「非常に悪い選択だ」

©︎IMAGO/Metodi Popow

 何年にも渡り物議を醸していたカタール航空とのパートナーシップも、この夏をもって「非常にエキサイティングな5年を経て円満に」終焉を迎えたバイエルン・ミュンヘン。その批判の理由となったのが多数の人権侵害で非難されている国の政権を間接的に支援しているということであり、メディアによれば特にカタール側にパートナーシップの継続への関心が失われていたという。「これでバイエルンが人権面を考慮してスポンサーを変更する、そう期待した人たちは今はひどく失望することになりました」と、人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのドイツ代表ヴェンツェル・ミハルスキ氏はドイツ通信社に対して語った。その発言の理由となっているのが新しいパートナーとして発表された、「ビジット・ルワンダ」にある。

 東アフリカの国ルワンダの観光キャンペーンでは、2018年からアーセナルFC、2020年からはパリ・サンジェルマンなど、サッカー分野もパートナーシップを継続しているところであり、これからバイエルンは、「ルワンダスポーツ省のパートナー」として、「青少年サッカーの構造構築を支援し、観光キャンペーンを支援したい」考えだという。ドレーセンCEOは 「成長すること。これらは魅力的で責任ある仕事であり、アフリカはチャンスに満ちた大陸。FCバイエルンにとって、これは国際化における次の重要なステップでもある」とコメント。プラチナ パートナーとしてキャンペーンの対応するロゴが2028年までアリアンツ アレーナの広告ボードに表示されるという。

 しかしながらミハルスキー氏はこれを決してポジティブな兆候としては捉えておらず、「ルワンダとの提携も非常に悪い選択です」とコメント。なおエコノミストによる民主主義指数では、ルワンダは2022年に167カ国中126位にランク付けされており、特に同国の人権状況は緊迫しているといわれているところ。与党ルワンダ愛国戦線(RPF)が政治空間を完全に支配しており、ドイツの外務省によれば同国では言論、メディア、集会の自由が「厳しく制限」されており、ミハルスキー氏は「つまり人権が踏みにじられている状態にあるのです」と批判を続けた。

バイエルン・ミュンヘン バイエルン・ミュンヘンの最新ニュース