2023/10/06
ミュラー、若武者テルに「ゴールしか見てなかった、ロッベン」彷彿

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「もうあれはマティスにとっては、お手のものという感じだったよね」FCコペンハーゲン戦で決勝点を沈めた、マティス・テルのプレーについて、スウェン・ウルライヒはそう振り返った。トーマス・ミュラーととともに後半途中から投入された若武者は、そのミュラーからのパスを受けてゴールに叩き込んでみせるのだが、それでも相手の足などが邪魔をしていて決して容易な状況であったと表現することはできない。それでもジョーカーとして投入され、今季6得点目を決めた若武者がみせるその勢い、姿からは大きな自信が感じとれるものであった。
点取り屋としてますますその価値を高めるティーンエイジャーについて、ベテランのミュラーは「点を決めてやろうという意思が伝わってくる。それもまた素晴らしいクオリティだよ」と絶賛。そして2013年にはともに三冠を達成した「アリエン・ロッベン。彼を思い出すと、時にはもっと周りをみたら?と思うくらい、とにかくゴールに向かって集中していた。その結果で、あれだけの得点を量産してたんだ」と振り返っており、「このまま、マティスは自分の仕事を鵜づけていくべきだろう。その決定力をいかして、どんどん積極的にシュートを放っていって欲しいね」と期待感を示した。
確かにトゥヘル監督にとっても、試合を途中で変えられる、決定力をもったジョーカーの存在は大きな戦力だ。ただその活躍とは裏腹に、決してこの若武者がニルス・ペーターゼンのように『史上最強のジョーカー』としての歩みを進めてもらいたいとも考えていない。ミュラーはこの状況について「僕が若手選手としての立場であったなら、そこでチームに入りたいなら、1秒1秒を大切に燃えてプレーする必要があると思う。いまは彼はそうしているところ」と説明。まだ若く成熟性に欠けることから状況把握能力の改善はテーマではあっても、それでも今は貪欲に得点を狙っていくことの必要性を説いている。