2023/08/09
MLSインテル・マイアミが、リオネル・メッシを獲得できた理由

©︎IMAGO/ZUMA Wire
確かにリオネル・メッシは金銭的にみてとてつもないオファーに断りを入れる形で、この夏の移籍史上を席巻するサウジアラビアの流れに逆らい、アメリカのMLSインテル・マイアミへの移籍を決断した。そして世界最優秀選手に7度にわたって輝いたアルゼンチン代表主将は、その登場のみならずその後のパフォーマンスを含めて”メッシフィーバー”を巻き起こし、その注目度はMLS全体にまで波及するほどの影響力をみせている。だがポイントはいかにして、サラリーキャップ制度が導入されるこのリーグで、そしてどのようにしてメッシを納得させられるだけの資金調達に成功したのか?ということ。
実際にサウジアラビアのオファーに断りを入れたとはいっても、メッシ獲得にかかった費用は決して安いものではない。36歳のアタッカーは年間にして5400万ドルを手にし、これはMLS全体2位となる元バイエルンのシェルダン・シャキリ(800万ドル)の7倍近くにまで相当するもの。そもそも各フランチャイズはトップチームにおいて520万ドル相当しか使用することはできず、各選手の最低年俸は8万5500ドル、再上限は165万ドルにまで設定されている。しかし国際的スター選手獲得の必要性に応じるため、MLSでは各チーム3人まで、いわゆる「指名選手ルール」というものが存在。
このルールによればMLSの各クラブは前述のサラリーキャップ枠外として、3人までチームに加えること可能となっており、それを今回インテル・マイアミが使用したことに。ちなみにこの制度を最初に利用してMLSに加入したのが、ほかならぬインテル・マイアミの共同オーナー、デビッド・ベッカム氏だ。さらにメッシはサラリーだけにとどまらず、クラブの株も受け取ったとも報じられているところ。加えてアディダス社と共にMLSと長期契約を結ぶアップル社も絡んでおり、有料ストリーミング・プロバイダー「Apple TV+」経由で予約できる「MLSシーズンパス」の収益の一部をメッシが受け取ると言われている。