2023/08/16

イタリア代表突如辞任で批判のマンチーニ監督が反論「殺人をしたわけではない」

©️IMAGO/AFLOSPORT

 先日イタリアサッカー界に激震が走った。ロベルト・マンチーニ代表監督が即座に退任。来夏にドイツで開催されるユーロに向け、イタリアサッカー連盟内での指揮官の立場はより強化された直後だっただけに、今回の退任劇はあまりにセンセーショナルなものであった。一説によると同氏はサウジアラビアからの誘いに屈したようで、昨季W杯出場を逃しながらも、再建に向けたそのアイデアを評価されて留任となったにもかかわらず、それを突然に放棄したとの批判が。ガゼッタ・デロ・スポルトのような雑誌でさえ「非常識」と糾弾する。別の言い方をするならばそれだけ、代表監督という仕事はサッカーだけではない、その国の価値観や国家自体に対する責任も問われる役職だということである。

 しかしマンチーニ監督自身は今回の決断について、決してお金が理由でアッズーリでの監督継続を断念したわけではないと反論。「私は誰かを殺したわけではないのだし、リスペクトを受けるに値すると思っている。いま直面しているような批判は不当だ」とコリエレ・デロ・スポルトに対して述べた同氏は、「いろいろとオファーはあって今後数週間で決定するが、現時点では具体的なものはない。サウジアラビアは今回の辞任にはまったく関係がない」としつつ、むしろイタリアサッカー連盟ガブリエレ・グラヴィーナ会長との意見の相違が決定的な理由と強く主張した。

 ただマンチーニ監督にとって今回のようなサプライズ辞任は、なにも初めてのことではない。例えば2018年にインテルがCL16強でリヴァプールに敗退した際の記者会見で、4 年契約延長を結んだ直後にもかかわらず辞任を発表。その後にクラブ側もその意思を尊重したという過去がある。サウジからの年俸は実に3年で総額1億2000万ユーロ(現在の年俸は400万)ともいわれるが、実際のところ真実はまだ定かではない。いずれにせよイタリア代表としてはユーロまで1年を切った中で後任を模索することになり、その筆頭はルチアーノ・スパレッティ監督と言われるが昨夏まで所属したナポリ側は265万ユーロの移籍金を要求している模様。メディアによればこれは今季中に次職についた場合の契約上の約束だという。原則として連盟では移籍金を支払う用意はなく、別の候補としてアントニオ・コンテ氏も浮上しているが最終判断はどうなるだろうか?

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