2023/10/11
UEFA、ロシアユース代表の復帰は難航。ユーロ2028と2032の開催地決定

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UEFAの関係者によれば火曜日にニヨンにて行われた会合にて、先日に承認の流れとなったロシア・ユース代表チームが「出場可能となる解決策を見出せなかった」ために議題が撤回されたことが明らかとなった。SIDの情報によればまだ最終決定は下されておらず、引き続き検討がなされることになるという。
9月26日にに欧州クラブ協会の代表として参加していた、ドイツサッカー連盟ハンス=ヨアヒム・ヴァツケ副会長やカール=ハインツ・ルメニゲ氏らは、ロシアのユース代表チームが一定の条件の下で出場が許可されるよう決議していたものの、これが実現するハードルはかなり困難なもののようで、メディアの報道によればむしろ一部の協会ではこの決議自体について、チェフェリンUEFA会長らの不意打ちという感覚さえ覚えていたという。
なおそのロシアから侵略されているウクライナに続いて、イングランド、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、ラトビア、リトアニア、ポーランドが自国の代表をロシアのチームと対戦させない考えを正式に発表。ウクラナイは「強い批判」を示すとともに、「ロシアが参加するいずれの大会にも関与しない」と明かしてた。特にスウェーデンのスポーツ協会会長カール・エリック・ニルソン氏に至っては、この賛成票が理由で国内からの圧力により退任にさえ追い込まれている。
今回の流れを受けて、ノルウェー協会のリセ・クラベネス会長はドイツのテレビ局に対し、「UEFAがみせた態度の反転は、ロシア代表チームをユーストーナメントに再統合する、そのタイミングが完全に見誤ったと認めたと解釈する」とコメント。「そもそもこういったプロセスを誤って実行することは罪であり、欧州サッカー界の意思決定者が重要な政治的および倫理的問題に対処する方法が変わることを望む」とした。
ちなみドイツでは前述のヴァツケ氏とルメニゲ氏が「戦争の罪のない子供達までもが代償を負うべきではない」と説明、さらにノイエンドルフ連盟会長が出席したFIFAの会議でもロシア・ユース代表チームの参加が決議されていたが、ただドイツ連邦内務省のナンシー・フェーザー内務大臣、WDRに対して「ロシアとベラルーシに国際スポーツ大会への扉を開く全く間違った方法だった」と非難。「UEFAを含めて」ロシアとベラルーシの選手団の参加に繰り返し反対を表明している。
ユーロ2028、2032の開催地が決定
その一方でUEFAでは既報通り、2028年度のユーロはイギリスとアイルランドで、そして2032年度のユーロはトルコとイタリアで、それぞれに共同開催することを決定した。当初トルコは2つの大会それぞれに入札していたものの、最終的には前者を取り下げて後者にずらし、そしてそこでの候補となっていたイタリアとの共同開催という形で申請していたことから、もはやこの開催決定は形式的なものでしかなかった。ちなみに英国ということで参加国の合計は5カ国(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド、アイルランド)となり、まだ現時点では出場枠の分配に関する決定という課題は残されたままとなっている。