2023/08/07

ロスタイム11分で同点に、アーセナルがマンC下しコミュニティ・シールド制す

©︎Getty Images

 イングランドでは日曜午後に早くも、今シーズン最初のタイトルが決定した。マンチェスター・シティがアーセナルFCとコミュニティ・シールドで対戦。ガナーズが新戦力のハヴェルツをトップに、背後へサカ、エデゴー、ガブリエル・マルティネッリを配置。さらに同じく新戦力のライスをトーマスとダブルボランチで起用したのに対し、マンチェスター・シティ側も中盤に新戦力のコヴァチッチを先発起用した。

 立ち上がりはシティがポゼッションで圧倒し、自陣でボールを回すなど支配率8割を超えたが、しかしながらそれをうまく最前線にまで繋げることはできず、ロドリはわずか1回(前半15分)に唯一の絶好期を逃すことになる。逆にガナーズは20分すぎから試合に入っていき、それから試合をオープンに展開。相手に隙をみせず、なおかつ素早いウィンガーたちによって仕掛けていき、ハヴェルツは2度(26分と41分)にチャンスを手にするも、カップ戦などと同様この試合でも先発した、バックアップGKオルテガ・モレノの前に決めきれない。

 淡々とした試合展開はハーフタイム後も続き、ただ若干優勢であったガナーズがなかなかラストパスを出せない一方で、スカイブルーは危機的状況を相手に突きつけるには発想力に乏しく、いつになくハーランド、シウバらを中心とする攻撃陣は特筆すべきプレーをみせられない。ただそれはひとえにガナーズが、非常に集中したディフェンスをみせた賜物にほかならないものだ。それでも個人技でもっていってしまうのが、マンチェスター・シティ。フォーデンがトーマスを交わして右に展開すると、なんとかデ・ブライネが頭で繋いだボールに、PA右手で受け取った途中出場パルマーが一閃、見事マンチェスター・シティに先制点をもたらした。

 それからフォーデン(83分)とロドリ(84分)が好機を掴むも、ここではラムズデールがが立ちはだかり、そしてロスタイム11分にここでもラッキーパンチを決めたのは、途中から出場した選手だった。サカが繋いだボールを、2列目からトロサールが振り抜いたシュートは、マヌエル・アカンジにあたりながらそのままゴールに吸い込まれることに。そのままPK戦にもつれ込んだ末、デ・ブルイネ(クロスバー)とロドリ(ラムズデール)のシュートが阻まれたマンチェスター・シティを下し、アーセナルが今季初のタイトル獲得を達成している。

グアルディオラ監督、長いロスタイムに苛立ち

 その一方でマンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督は、非常に長かったロスタイムへの苛立ちを隠せず、「これには慣れていかないといけないのだろうが。ただそれは我々が勝ちそうになっていたからではなく、あれほどの長さを正当化できるだけの出来事がなかったから言うのだがね」とコメント。ただカタール・ワールドカップや現在行われている女子ワールドカップにおいて、長いロスタイムは珍しくはないようにイングランドサッカー界では、これからより厳格にロスタイムについて対処する方針。「選手の心身ともに負担となる」と苦言を呈すグアルディオラ監督に対して、かつて同氏のACを務めたアルテタ監督は「これは正しい道への一歩」と評価したが、いずれにしてもこの問題は今後も続いていくことは間違いないだろう。

【試合結果:マンチェスターC1−1(PK4−2)アーセナル】得点:コール・パルマー(77)、 レアンドロ・トロサール(90+11分)
 

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