2023/08/19

リヴァプールの再建:米国や中東マネーに晒されるも、クロップ監督「満足してる」

©︎IMAGO/PA Images

 金曜日に行われたマウリシオ・ポチェッティーノ監督の記者会見が、ユルゲン・クロップ監督よりも30分早く行われたことは、むしろ好都合なものとなったことだろう。モイセス・カイセドやロメオ・ラヴィオをリヴァプールとの争奪戦の末にチェルシーに迎え入れたことについて、指揮官は「選手たちが加入を望んでくれたのは、うちに特別なものを感じてくれたからだよ。ここで何かが起ころうとしているということだ」とEL出場権をもつレッズではなく、昨季12位に終わったブルーズへの移籍決断についてコメント。ただし昨年から欧州4大リーグ1個分に相当する爆買いをみせていることには直接触れることはなかった。

 一方で両選手の獲得に失敗したクロップ監督は、まず遠藤航の獲得について「クラブや選手と合意に至れたこと」への喜びを表現。リヴァプールの周囲の人々が思うよりも出場機会を得ることなると考えているが、やはり話は獲得に失敗したことへと転換。そもそもリヴァプールは選手を獲得するのに説得が困難になってきているという証でもあるのだろうか?「正直なところ、リヴァプールどうこうということではなくて、全てにとって難しくなっていると思うね」とクロップ監督。「去年とは全く異なるアプローチをみせているクラブもあり、いったいそれがどういう仕組みになっているのか完全に理解できていないというのもあるだろう。一般のクラブとしてこれについていくことは非常に困難だ」と言葉を続けたが、最後までチェルシーの名前が出ることはなく「私はオーケーだよ。誰も責めるようなこともしないし、そういうものなんだ」と述べている。

 チェルシーの爆買いを支え、またこの夏にリオネル・メッシらバルサ組を招聘するなど、米国による力もさることながらやはりこの夏、移籍市場を席巻しているといえばなんといってもサウジアラビア。リヴァプールからもすでに何人かの選手が渡っており、さらに現在もアリソンに対する関心が寄せられているところ。これについてもクロップ監督からネガティブな発言はされることなく、「別の国でリーグが発展して、欧州と対抗していこうという姿勢は、何ら悪いことでもないんだ。ただ問題は制限なくお金が使われ続けているということ。誰かがここで解決策を見出さなくてはならないんじゃないかな」と笑顔で返答。そして改めて「リヴァプールが選手獲得に苦労しているということはない。いくらでも声をかけることができたさ。今の移籍市場で本当に満足している。ファンの中では億単位での獲得を望む気持ちもあるだろうがね、ただ移籍金でピッチ上のプレーが改善するわけでもないんだ。だから我々はこれからも追求し続けていくし、お金を言い訳なんかにするつもりもない」と意気込みをみせた。

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