2023/09/27

上月所属のシャルケ、トーマス・ライス監督の解任を発表

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 ラルフ・フェアマンを巡るゴールキーパー問題、ティモ・バウムガルトルによる出場停止処分など、ピッチの内外にわたり暗い話題が続いていた、FCシャルケ04。ブンデス2部降格後成績不振のみならず、これらの衰退ぶりは目に余るものがあり、最終的にクラブ首脳陣はトーマス・ライス監督の解任を決断している。「ここのところの期待はずれのパフォーマンス、そして今後の成功への見通しが欠如していることを受け、競技部門の首脳陣はトーマス・ライス監督と、マルクスゲルハウスACを即時解任することを決定しました」なおひとまずはマティアス・クロイツァーACが「追って発表があるまで」暫定として指揮をとる。

 ただし監督ライセンスを有していないことから、仮にその次の試合でも次期監督が見つかっていない場合は、マイク・ビュスケンス氏がともに座って指揮をとる可能性があるだろう。実際にそのコンビで2021-22シーズンの昇格シーズンのラストスパートで昇格に導くことに成功。特にシャルケは「多額を投じて迎え入れられない」財務状況であり、「それでもできる範囲内で優れた指揮官をみつける」とペーター・クネーベル競技部門取締役。一筋縄では行かない可能性は、十分にあるが、とはいえビュスケンス/クロイツァー体制の長期継続の可能性も、両者ともにその意欲はなく現実的ではないだろう。

 改めて今回の解任の理由について、クネーベル氏は「マグデブルク戦での勝利でみせた闘志によって、きっとザンクトパウリ戦でもさらなる進歩がみられることだろう、と期待していた。だがそこでは逆に大幅な後退が見受けられており、我々は過去数日間を集中的な協議に費やした結果、クラブのため今回の対応を取らざるをえないという結論に達した。開幕から続くこのマイナス成長に歯止めをかけなくてはならないから」と説明。

 ただむしろこの夏にシャルケ首脳陣は、トーマス・ライス監督との契約を延長すべきということで合意していた。しかし即座の一部返り咲きを目指して臨んだ今シーズン、クネーベル氏が指摘する「マイナス成長」はピッチの内外でともに見受けられている状況であり、「ライス監督と一緒にこの危機を脱するよう全力を尽くした」と強調したアンドレ・ヘヒェルマンSDは、「しかしここ数日間のクラブ内での協議のあと、我々は現行の体制における低迷ぶりを受け止め、短期かつ中期的に成功をおさめられる確信を得られなくなっていた。だから新しい道を歩むことにした」と述べている。「いまはとにかく前向きな気持ちで代表戦期間に入ること。クロイツァー氏には全幅の信頼を寄せており、我々も全力で彼をサポートしていく。それと同時に後任の人事にも取り組んでいるところだ」

 およそ1年前の10月27日に、当時ブンデスリーガの最下位に低迷していたシャルケに、フランク・クラマー監督の後任として就任したライス監督は、遅くはあったがシーズンの後半には絶望的にもみえたチームの立て直しをはかることができており、6勝7分10敗でフィニッシュ。最終節まで残留の可能性を残してはいたものの、ライプツィヒの前に2−4とあえなく撃沈していた。だが2部に入るとここまで、2勝1分4敗と伸び悩み、返り咲きどころか残留争いとなる16位に低迷。ちなみにその前年度のブンデス降格組アルミニア・ビーレフェルトも同様の展開をみせ、最終的には入れ替え戦の末に2年連続の降格で現在は3部でプレーしている。

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