2023/08/24
イタリア連盟会長がマンチーニ監督に反論、「彼の論拠は弱すぎる」

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突然の辞意表明で世間を騒がせた、ロベルト・マンチーニ監督。ユーロ開催まで1年を切ったこのタイミングで、その裏にはサウジアラビアとの繋がりも指摘されており、退任の際には一部からの批判の声に「私はリスペクトに値するものだと思う」と反論。「サウジは今回の退任とは一切関係はない」と語った。「常に私はイタリア代表のことを優先的に考えてきた」と主張する指揮官はなぜ、道を分つ決断を下したのか?それにはガブリエレ・グラヴィナ連盟会長との意見の相違が決め手になったという。しかしこれにグラヴィナ会長本人が異を唱えた。
『コリエレ・デッラ・セーラ』に対して同氏は、「彼に編成面であれこれ口にしたことなどないし、それに私は他の会長らとは違って、1度たりともフィールドに立ったことなどないよ。だからこうした批判を受けるのは不当だと思う」と述べ、この論争に「火に油を注ぐような真似はしたくはない」「ロベルトは常に彼なりのやり方がある」としつつも、「私個人へ非常に攻撃的なところがあったからね」と反論を展開した理由について説明している。
それはマンチーニ監督がグラヴィナ会長から、コーチ陣の構成について干渉があったと不満を漏らしたところであり、「連盟会長が監督のスタッフを変更するなんて見たことがなかったよ。でもこの1年で彼はそれを希望していたし、そういうものではないと説得を試みたが契約を盾に振られたこともあった」とコメント。おそらくそれは長年ユベントスに在籍し、最近アシスタントに昇格していたアンドレア・バルザーリ氏のことだろう。果たしてその交換条件だったのだろうか、マンチーニ監督にはより多くの権限が与えられていた。その権限拡大の事実を主張するグラヴィナ会長は決して、マンチーニ監督への疑念などはなかったと説く。
「U20とU21のコーディネーターにも任命していたんだ。そんな私が彼のことを信頼していなかったとでも?あの発言は本当に理解に苦しむものであり、実際はその逆であることも彼自身よく知っているはず。彼の論拠はあまりに弱すぎるものだよ」と指摘しており、そしてマンチーニ監督による「青天の霹靂」ともいえる辞意表明を挙げながら、「直接いわれたことは1度もない。代理人と妻からその考えを知った。恨みなどないが退任のタイミングだけは当惑している。これまで共にやってきたのだし、もっと期待していた。せめて顔を合わせてその考えを伝えて欲しかった」との想いを語った。
なおガゼッタ・デロ・スポルトによればマンチーニ監督は、これまでの10倍となる3000万ユーロのサラリーでサウジアラビア代表監督に2年契約で就任する見込みと伝えている。