2023/09/28

不振のナポリ、自身を救う半年ぶりのゴール。クワラツヘリア「自信になる」

©︎IMAGO/Antonio Balasco

 2022年夏にSSCナポリに加入して以来クヴィチャ・クワラツヘリアは、クラブの象徴的な存在である、ディエゴ・アルマンド・マラドーナにちなんで『クバラドーナ』で親しまれる存在だ。移籍後最初の2試合で3得点をマークし、第5節と第8節にも加点。またチャンピオンズリーグGLにおいても最初の4試合で2得点3アシストを記録するなど、10月上旬まではまさに飛ぶ鳥を落とす勢いをみせていたのだから尚更だ。それからもコンスタントに得点を重ねいていったジョージア代表だったが、第27節でのFCトリノ戦を最後に無得点の呪縛に襲われる。しかもそれはセリエAの舞台のみならず(16試合)、ジョージア代表にまで影響を及ぼしていく(5試合)。

 「得点を決めきれなかったことは残念ではあるけど、でもサッカーの世界では何が起こるかわからないところがあるからね。たださすがに半年間もゴールを決められないとナーバスにはなってくるものだけど」と、ウディネーゼ戦での4-1の勝利後に振り返った、クワラツヘリア。先の見えないトンネルに入ったかに思われたなか、この試合でも決定機を逃し怒りを露わにする様子をみせていた矢先、不意にその呪縛から解き放たれる瞬間が訪れた。ウディネーゼのGKシルベストリに放った技ありのチップは、そのままゴールネットの中へ。「僕はまた戻ってきたよ。ハッピーだね。これからもチームのために全力を尽くす。この成功は今後に向けた自信を与えてくれるものだよ」と語った同選手は、「もっとレベルアップしていって、本来の自分たちの姿をみせられるようにしないと」とセリエAでの巻き返しも誓った。

PKを譲ったオシムヘンをガルシア監督称賛

 なおクワラツヘリアが得点する、その前の2つのゴールにも、この日はドラマが見られていた。ボローニャ戦でのPKでの場面をクラブ公式がTiktokに投稿し、それが選手を揶揄するものとして代理人が法的措置も辞さない考えを示していた、ヴィクトル・オシムヘンが開始19分に手にしたPKをピオトル・ジエリンスキに譲ることに。特に問題の動画の後でオシムヘンが自身のナポリ関連の画像を全て削除したこと、そして和解が伝えられたとはいえルディ・ガルシア監督との公でのいさかいなど、この行動からは不安も頭によぎるところではあるが・・・。

 試合後に指揮官は「私はオシムヘンをキッカーに指名していた。そしてオシムヘンがジエリンスキに譲ったのだ。」と、事実上の「アシスト」を称賛。さらにオシムヘンはその後に自らゴールネットを揺らして、最終的には4−1での勝利に大きく貢献しており、これでオシムヘンをめぐる騒動についても一息つくことができ、また進退問題に問われているガルシア監督にとっても、貴重な勝ち点3を手にすることができたといえるだろう。ガルシア監督は「この仕事を愛しているし、成功のために全力を尽くしつづける」と述べつつ、「現代サッカーではこういうことも、その仕事の一部であり嫌なら転職するしかないものさ」との考えを示している。

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