2023/02/16
ネグレイラ事件:140万ユーロを巡る汚職疑惑に揺れるバルサ

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FCバルセロナを巡る汚職疑惑が、ここのところのスペインメディアの見出しを席巻している。2016年から2018年にかけて審判に影響を与えた疑惑がもたれているが、ただ全てについて否定を主張しているところだ。これはマリア・エンリケス・ネグレイラ氏が所有するコンサルティング会社に、およそ140万ユーロを振り込んだとされるものであり、とりわけねエンリケス・ネグレイラ氏が当時、CTA審判委員会の副会長であったことが話題を大きなものとしている。
これらのことは以前より検察庁も認識しており、ドイツ通信社に対して、数ヶ月前には「私人同士の汚職の疑い」で、両者に対して捜査を行っていたことを認めている。これは最初にラジオ局『Cadena Ser』が報じていた。またメディアによればリーガ首脳陣とエンリケス・ネグレイラ氏はそれぞれの公聴会で支払いを認めたものの、汚職の告発については否定。当時の責任者である元バルサのバルメトウ前会長について、ラポルタ現会長は批判することは決して珍しくないが、今回のことについては擁護の姿勢をみせている。「バルサの調子が良いときにこの情報が公表されたというのは、決して偶然のことではないだろう。ビッグクラブがコンサルタントを利用することは一般的なことだ」
ただそのコンサルタントがポイントである。1977年から1992年までリーガ・エスパニョーラで審判員を努め、1994年から2018年まで副会長を務めていたエンリケス・ネグレイラ氏は、『Cadena Ser』のインタビューで、CTAA副会長としていかなる決定や審判の任命においてもFCバルセロナを優遇していないことを強調。一方で彼の会社である「Dasniel 95 SL」は、審判によって選手がどのように振る舞うべきかなどをクラブに口頭でアドバイスしていたという。
果たして罰金から強制降格など、今回の結果としてどのような可能性が考えられるだろうか。それは今後の捜査次第ということになるのだが、この問題が1992年の「スポーツにおける規律に関する王令」(Real Decreto sobre Disciplina Deportiva)に関わる可能性も残されている。この「Consejo Superior de Deportes」の法令第14条には、「金銭、脅迫、単純な談合によって競技の結果をあらかじめ決定することを目的とした」行為が扱われているのだ。