2023/04/01

サイラスの代理人がラバディア監督を批判「火消し役が消防車を置いてきた」

©︎IMAGO/Sportfoto Rudel

 土曜日に行われる1.FCウニオン・ベルリン戦では、VfBシュトゥットガルトではサイラスを欠いて臨むことを余儀なくされた。とりわけセール・ギラシがようやく戦列復帰への目処がついたとはいえCFにオプションがないこともあり、ラバディア監督としてはできれば起用したかった思いもあるだろうが、アフリカ杯予選モリタニア戦で後半62分より出場、コンゴA代表デビューを飾っていた同選手が、その後の帰途において「まるで24時間旅をしていたようだ」というほどの疲労感を訴えたために、その後のドイツ杯での影響も考慮してリスクを回避したもの。そのためいまシュトゥットガルトでは選手の体調面を細かにチェックしたい考えであり、「これから過密日程がつづくのだ。そのために完調を果たしておかなければならないものだよ」と指揮官は考えを示した。ちなみにヴァグノマンやソーサ、そして遠藤航と伊藤洋輝はリカバリーに務めているところだが、日本代表2名は「本日の練習参加を見送って回復を目指す」と説明。ただこれまでの経験値を踏まえて、あくまで制限的な疑問符といったところか。

 その一方でサイラスをめぐっては同選手の代理人がラバディア監督の采配について批判を展開。「パン屋から肉を作ることはできない」との表現で、「彼をセンターフォワードとして起用すべきではないし、それに彼は先発として起用されつづけるべきでもある」とコメント。パフォーマンスの不振はあくまで「右ウィングが本職であるため」と主張しているが、ただそもそもサイラスのここのところのプレーには献身性が不十分で、特に活力がみうけられず中途半端な対人戦、集中力の欠如、そして決定力不足も露呈。「ブルーノは火消し役と聞いていたが、どうやら消防車を忘れたようだね」と、それらは代理人の評価を下げるものではないようだが、ではなぜウィングじゃなければそういったプレーを見せられない選手であるのか。これらの言葉では、なんらその説明にはならない。2021年に負った十字靭帯断裂とその後の肩の負傷から本調子に戻れず、それでも12月にはクラブ内での稼ぎ頭になる形で契約延長を結び、身分詐称疑惑に見舞われながらも信頼を崩さなかったクラブに対して、ほんの少し前に絶賛の言葉を送っていたサイラスだが、いまや別れへの希望を公言することも、そしてそれをむしろシュトゥットガルト側も歓迎する状況であることも、もはや驚くに値しない状況へと変化してしまったようだ。

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