2023/04/04
シュトゥットガルト:ラバディア監督解任、ヘーネス監督就任が発表

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VfBシュトゥットガルトはドイツ杯準々決勝直前に、ブルーノ・ラバディア監督の更迭を発表した。土曜に行われた3位1.FCウニオン・ベルリン戦にて0−3と敗戦を喫した、その後にクラブ内で行われた集中的な話し合いの末に導き出された結論であり、今季マタラッツォ監督、ヴィマー暫定監督、そしてラバディア監督に続く4人目の指揮官として、セバスチャン・ヘーネス監督の就任も同時に発表されている。
「ラバディア監督は昨年末にこの大きな挑戦を受け入れてくれた。決して楽ではない状況の中でチームを成功へと導くため、あらゆる手を尽くしてくれていたよ」とヴォールゲムートSDはコメント。「だがそれでも好転を果たすことは叶わず、いいパフォーマンスもみせてはいたのだが、ここ数週間はむしろ残留争いへの戦いへとさらに足を踏み入れる結果となってしまっている。ブルーノの尽力に感謝するとともに彼の今後の多幸を祈っている」と言葉を続けた。
2010年12月から2013年8月までシュトゥットガルトにて指揮をとった経験をもつ同氏は、就任時には入れ替え戦となる16位でバトンを受け継ぎ更なる浮上が期待されたものの、11試合が経過した時点で順位は最下位にまで転落。わずか1勝にとどまりむしろ安全圏内まで勝ち点差5という状況にまで陥っている。ただしラバディア監督との契約は2025年まで残されているところ。
ヘーネス監督「ここは特別なクラブ」
一方でこれからドイツ杯8強ニュルンベルク戦、そして週末のVfLボーフムとの下位直接対決という大一番に臨むことになるヘーネス監督は、ラバディア監督と同じ2025年までの契約を締結。リーグの1部2部に左右されない契約になっているという。「シュトゥットガルトでの挑戦を本当に楽しみにしているし、クラブ首脳陣とはいい話し合いができた。この期待に感謝したい。それにかつてユース時代にプレーしたという思い入れもある。ここではU17に国内制覇も果たした」とコメント。
「これからの私のタスクは大きく3つある。1つ目はニュルンベルクとのドイツ杯で成功させること、2つ目はブンデスリーガ残留を果たすこと、そして3つ目はシーズン終了後に競技部門と皆で明確な分析を行なって、シュトゥットガルトの未来の成功のためのステップを踏み出していくことにある」と宣言している。
ヴォールゲムートSDはバイエルンIIで大きな成功をおさめ、そしてTSGホッフェンハイムにて2年間指揮をとった経験をもつ同氏について、「即効性」と「将来性」への両面に期待しており、「すでにブンデスで重要な経験を積んでおり、ユースや過渡期の分野についても精通した人物。セバスチャンはこれからの挑戦に臨むにあたって適任であり、チームと共にこの難局を乗り越えてくれるものと確信している」と語った。
ホッフェンハイム時代での成果と課題
2020年夏に欧州リーグ出場権を獲得していたTSGホッフェンハイムの指揮官へと、トップチームの監督として初就任したヘーネス監督は、そこでは攻撃的なプレースタイルにより安定した守備の基盤を構築することを目指していく。ただ過密日程により思うように練習を積めなかったこと、主力選手が相次いで離脱したこと、コロナ禍に見舞われたことなど、様々な苦難に苛まれながらもなんとか、チームは降格の危機には瀕することなく11位でフィニッシュしている。
2年目からは多くの練習を積めたことがシーズンの中盤に入って実を結び、ナーゲルスマン監督時代以来、最も構造的なサッカーを展開して18試合終了時点で3位。25試合を終えてもなお4位と、出だしのつまづきをカバーして見事な上位争いを展開していく。だがそこから負の連鎖が止まらずCL復帰どころか9位でフィニッシュ、最終的には欧州リーグ出場権と共にヘーネス監督は職場を失うことに。
シーズンの重要な局面に入ったところで、組織の統率という点ではまだ経験の浅さを露呈した結果でもあったが、果たして40歳を迎えたヘーネス監督はどれほどの成熟をみせているか。クリス・リチャーズやラター、ラウムら若手育成に関してはホッフェンハイムでも実証済みで中・長期的には期待がかかるが、一方で今回のプレッシャーのかかる状況を克服できるかはまだわからない。