2023/04/04

独誌キッカー解説:評価できるヘーネス監督招聘、ただ火消し役はまだ未知数

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 多くの誓いが果たされない日々・・・。ぬるま湯に浸かり、自己責任や自己批判という部分で欠けるこのクラブの立てなおしを、昨年末にブルーノ・ラバディア監督は実現するためにおよそ10年ぶりに古巣復帰を決意した。だが再び正しい方向へと向けようにも、その逆風を克服できずに己の無力さをただ認識する日々をすごす他なかっただろう。早くもわずか11試合での解任が通告される結果となってしまっては・・・。

 この難題に新たに挑戦するのが、セバスチャン・ヘーネス監督だ。バイエルンIIやホッフェンハイムでの結果だけをみても確かに指揮官としての資質は評価されるが、ただ明らかに前任のホッフェンハイム時代より厳しい戦いに身を投じることになるのも事実。比較的自由を与えられていたホッフェンハイム時代とは異なり、シュトゥットガルトではクラブ上層部からのサポートなしには克服は困難で、逆にそれが果たせた暁には本当に意味で前進へと導くことが可能となるはずだ

 少なくとも今回シュトゥットガルトが1部2部にかかわらず、火消し役ではなく若い指揮官と未来を意識した契約を結んだことは評価できるものだ。加えて元ドイツ代表でシュトゥットガルトでの監督を務めていたディーター・へーネス氏の息子でもある、セバスチャン・ヘーネス監督はユース時代に選手として過ごしたこのVfBシュトゥットガルトというクラブを、良い部分も悪い部分も知る経験があった人物。

 つまりは現状から正しい答えを導くことができる、ヴォールゲムートSDが「適任」と評した人物であり、ヘーネス氏としては「ワクワクする大きなチャレンジ」で実際にそれを形として表さなくてはならないということ。たとえ2部降格を喫したとしても・・・。いや、まだシュトゥットガルトにはブンデス残留の希望は残されている。あとはシュトゥットガルトの悪い部分が今季4人目の監督の下では顔を出さずに済むことを願って・・・。

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