2023/04/17
伊藤洋輝が急遽欠場、2点差、数的不利。それでも「良い表情をみせていた」シュトゥットガルト

©︎IMAGO / Pressefoto Baumann
VfBシュトゥットガルトの指揮官としてはじめて臨んだホーム戦、土曜日に行われたボルシア・ドルトムント戦は、セバスチャン・ヘーネス監督にとって忘れられないものとなったことだろう。確かにその結果は痛み分けではあったものの「まるで勝利したような気分だ」と40歳の指揮官は試合後、スカイに対してコメント。この日は前回のボーフムとの下位直接対決とほぼ同じ布陣で臨んだが、伊藤洋輝が風邪のために急遽欠場となったことが試合開始前に明かされており、代役にザガドゥを起用。しかし開始から30分ほどで2点リードを奪われたのみならず、39分にはコンスタンティノス・マヴロパノスが退場処分を受けるという絶体絶命の危機に。
それでも主将遠藤航らシュトゥットガルトの選手たちは「本当に激しいプレーを見せていたね。我々は常に自分たちを信じて、決して頭を下げるようなことなく戦い続けていた」とへーネス監督。後半立ち上がりからセール・ギラシがオフサイドギリギリの判定でノーゴールとされてしまうも、それでも78分に途中出場のクリバリが反撃の狼煙を上げ7分後にはヴァグノマンが同点弾。それでもドルトムントはロスタイム2分にレイナが加点し万事休すかと思われたが、ロスタイム7分にこちらも途中出場のサイラスが劇的な同点弾を決め、勝ち点1の確保に成功。順位は入れ替え戦となる16位を堅持したのである。
土壇場のゴールをお膳立てしたヴァグノマンは「努力が報われた」と安堵の表情をみせており、またこの日一部が改修されたメルセデス・ベンツ・アレナに詰めかけた4万8000人のファンたちもまたその大半がこの試合を成功を受け止め、へーネス監督自身も「この日に見せた戦いぶりは今後の後押しにもなりうるものだ」と胸を張る。「決して自分たちを見失うことなく、気持ちだけでなく明確な考えをもって守ることが非常に重要な試合だった。ただその覚悟がハーフタイムでも選手たちの表情から見て取れており、それは本当に良い前向きにあ雰囲気だったよ。もしもチャンスがあればそれをつかむしかない、そう誓ってピッチに向かっていったし見事に選手たちはそれを実践してくれたんだ」
その奮闘ぶりを背後から見守り続けていたファビアン・ブレッドロウは、指揮官と同じくこの戦いぶりが長きにわたり続くチームの混迷、そして下位争いに晒されてきたチームに非常に好影響をもたらすものと考えており、「上位のクラブを相手にして、あれほどのプレーができるということ。しかも数的不利におかれながらも、そこから盛り返していけるということを、世間に知らしめていくということは本当に大切なシグナルになると思うね」と期待。また2度の警告で退場となったマヴロパノスについては「彼は何人たりとも前に行かせたくはないのだろう」と笑顔をみせ、ヴォールゲムートSDも突発的な同選手のプレースタイルを指摘。ただそれは批判ではなく「いい意味での緊張感やアグレッシブさを彼はチームに持ち込んでくれているから。時にこういうことはあってもしょうがない」と語った。
伊藤復帰でアントンはマヴロパノスの代役へ
ただいずれにしても金曜日に控えるFCアウグスブルク戦ではマヴロパノスは出場停止に。ただ伊藤洋輝については次節までの回復が見込まれているところであり、そうなれば3バックの左側に入ってアントンは今度はマヴロパノスの代役として、中央のザガドゥの右側に配置されることだろう。なおシュトゥットガルトでは残り6試合という時点で入れ替え戦となる16位(勝ち点は24)、自動降格圏の17位シャルケと同じ勝ち点数であり、また安全圏の15位ボーフムは27、そして14位アウグスブルクと13位ホッフェンハイムは29となっている。