2023/08/09

伊藤洋輝の再獲得を目指す、アヤックスのミスリンタトSDが直面した自身が用意した契約書

 かつてVfBシュトゥットガルト時代にスウェン・ミスリンタトSDは、「いやらしいオファーだ」との言葉を用いて表現したことがある。それは移籍市場の最終日が近づく、そのギリギリというできればあまり動きたくはない頃になって、金額が高騰化しもはや拒否できないレベルにまで達してしまったオファーのことを形容したものだ。そしてアヤックス・アムステルダムのSDとなり、これまで伊藤洋輝の獲得にむけて移籍金1500万ユーロを提示したといわれているものの、それはまだシュトゥットガルトの現首脳陣たちに「いやらしいオファー」と言わせるまでには至っていないのだろう。これまでは常に断りの返事だけが残されている。

 シュトゥットガルトのヴォールゲムートSDは、伊藤について「守備面における安定化」を託す不可欠な存在に成長したとみており、またこれまでみせてきたその「卓越したプロフェッショナルさ」への評価についても強調。だからこそ伊藤洋輝の売却という用意が皆無であることは、クラブ全体における総意だという。「彼はこのチームの中心的存在なんだ」とはいえ、サッカーの世界では常に限界点があるのもまた事実、いつ「ずるいオファー」が寄せられるかは誰にも予測などできない。

 また伊藤洋輝の飛躍ぶりもまた、予想を上回るものだった。2021年に当時のミスリンタトSDによってまずは下部チーム向けにレンタルで加入した左利きのCBは、当時のマタラッツォ監督の下の最初の練習で好印象を残し夏季合宿に帯同。そこでも物静かな若い日本人選手はアピールに成功し、遂にブンデスリーガのメンバー入りを果たすことになる。そして主力の座をも確保した同選手は、2022年に完全移籍。2026年まで結ばれた契約には例外条項は含まれていないため、いまはそれを買い手の立場となってミスリンタトSDは再び直面することになった。

伊藤、火曜日の練習は個別調整で早期に切り上げ

 ちなみに火曜日にから再開した今週のシュトゥットガルトの練習では、伊藤は個別調整を行なったのちに、比較的早く練習場を後にすることに。これまで膝に問題を抱えプレーに支障がみられていたことを考慮してのもののようで、どうやら土曜日に控える今季最初の公式戦、ドイツ杯初戦TSGバリンゲン戦での出場を危ぶむほどではないようだ。

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