2023/08/21

クロップ監督、遠藤航獲得への懐疑論に「まずは見てみよう!」

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 決してリヴァプールファンが待ち望んでいたような解決策ではない。ここ数日VfBシュトゥットガルトから加入した遠藤航については、「衝動買い」などの言葉が取り沙汰されているところではあるのだが、しかしながらユルゲン・クロップ監督は、「いまサッカー界でどのような潮流にあるのかは承知している、ただまずは見てみようではないか」と強調。「皆さんの目をみればわかるよ、よしあれを獲った、これを獲った、なんて見ているのだろうけど、でもちょっと考えてみてほしいんだ。本当に彼はいい選手だよ。経験豊富で日本代表でもシュトゥットガルトでも主将を務め、さらに英語が堪能であり内面性もよく家族思いで、そしてピッチ上ではマシンのようにプレーしサッカーが上手く、その姿勢も大変に見事なものだ。だから彼を獲得できて本当に嬉しいよ」

 ここのところリヴァプールではモイセス・カイセド(21歳、ブライトン)とロメオ・ラビア(19歳、サウサンプトン)という、ファンが夢見ていた2つの中盤への補強をいずれもチェルシーとの争奪戦の前に敗れた経緯もある。そしてその結果で迎え入れたのがここのところかろうじてブンデスリーガ残留を果たしてきた、シュトゥットガルトの主将を務めてきたより安価な30歳の日本人選手ということに、英国では驚きの声が上がった。「でもね、最初にこの噂が出た時に、私の元選手たちからは、「もし事実ならすごい」とか「何年も前から彼を獲得したかった」とか、そういう声が聴かれていたよ。ドイツでは彼は非常にポジティブに受け取られ、本当に高い評価を受けているんだ」とクロップ監督。

 その移籍金額は2000万ユーロで、成果に応じたボーナスは最大500万ユーロほどといくわれており、「シュトゥットガルトにとって遠藤を失うことは大きな痛手だろう。だが一方では契約最終年度としては良いディールだとも言える」と述べ、「彼自身にとって良いことだし、クラブにとっても良いことだし、そして我々にとっては本当に良いことなんだ」と言葉を続けている。「確かに通常箱の年齢の選手を獲得することは、そうそうあることではない。でもね、もしも彼が30歳じゃなかったならば、そもそも獲得できたかどうかもわからないものさ。これからきっと大いに楽しませてくれることだろう。無論、どれくらい早く使っていけるかは見極めていく必要があるがね。シュトゥットガルトと同じポジションで、アプローチは少し違うがそれでもデュエルに勝利し、ボールをきっちり運んでくれればクールだよ」

遠藤不在で大勝劇も、穴埋めを模索するシュトゥットガルト

 その一方でシュトゥットガルトのセバスチャン・ヘーネス監督は、遠藤の移籍を「嘆くつもりはないし、確かに痛いが少なくともチーム内でカバーしていけるという考えはある」と語っており、さっそくボーフムとの開幕戦ではミローをダブルボランチの一角として起用。守備面のカバーと攻撃面の推進力向上の役割を担っており、原口元気やエグロフよりも優先した理由については指揮官は「エンツォはいい準備をしてきたし、以前2度プレーしたこともある」と説明。さらにミローの代わりにトップ下に入ったチョンは「比較的論理的に」割り当てることが可能だったという。「彼はエンツォのようなプレーができる」その結果で韓国から来たオフェンシブオールラウンダーの柔軟性などでカバーをみせたシュトゥットガルトは、最終的に5−0とこの上ない快勝劇を演じることに。「それでも遠藤の移籍が痛いことに変わりはない」とヘーネス監督。残された夏の移籍市場での穴埋めに期待した。なお候補にはフランクフルトのクリスティヤン・ヤキッチが浮上。交渉は進展を見せ買取オプションでのレンタルが取り沙汰されているようだ。CBでもプレー可能な26歳とフランクフルトとの契約は2026年まで。

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