2023/06/06

41歳ズラタン・イブラヒモヴィッチ「今日がプロサッカー選手として最後の日」

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 ACミランが今季最終戦エラス・ベローナ戦を戦い終えたその直後、ジュゼッペ・メアッツァのスタジアムはあたたかな歓声に包まれた。すでに前日には今季かぎりでクラブを退団することが発表され、試合開始前から幾度となくその名前が連呼されていたズラタン・イブラヒモヴィッチが、そこで目に見えて明らかに感情を露わにし、そしてスタンドに向かってハートマークを送っていたのである。そしてこれは『イブラ』にとって、その輝かしいキャリアを終える瞬間でもあった。

 その後の記者会見にて、同選手は「サッカーに別れを告げる時がきた」と宣言。「クラブは僕のこの決断を知らなかったんだ」と明かしつつ、その21年間におよんだ偉大な時間にピリオドを打っている。スウェーデン代表として122試合に出場して62得点をマークしてきたイブラヒモヴィッチは、クラブシーンではこれまでアヤックス、ユベントス、バルセロナ、パリ・サンジェルマン、インテル、LAギャラクシー、マンチェスター・ユナイテッド、インテル、ACミランなどで通算619試合に出場。そこで359得点をマークしている。数々のタイトルを総なめにしてきたものの、ただ唯一チャンピオンズリーグのタイトルだけは獲得できなかった。

 そして膝の重傷をおして出場をつづけた昨シーズン、ACミランにスクテッドをもたらすというその約束を果たした直後に受けた手術から、9ヶ月の離脱期間を経て復帰を果たした41歳のストライカーだったのだが、最終的に最後となったこのシーズンでわずか4試合のみの出場にとどまっており、この年齢でスウェーデン代表にも参加していたものの「これからは、僕は自由人だ」とコメント。「ジャーナリストの皆さんにとっては、ちょっとご迷惑をおかけするかもしれないね。これでちょっとネタが減ってしまうかな」とレジェンドストライカーは語った。「これほどの長いキャリアのなかで、これほど長く自分が成功をおさめられる時間を過ごせたことを誇らしく思う。継続していくための力、アドレナリン、気迫を僕に与えてくれた、すべての人たちに感謝の気持ちを伝えたい。」

 今後はどのように考えているのだろうか?「ひとまずは自分が何をすべきか、それを理解するためにこの夏をたのしもうかと思うよ」とイブラ。ただその視線の先にはある程度のビジョンがみえているようで、コーチや指導者としてとなると「かなり制限されるところはでてくるだろう。フェラーリで練習場までいくことはできないだろうね」と述べつつも、「イブラはそれでもルールを変えられるかもしれないね」と語った。新境地の開拓、それはイブラにとって何も目新しいことではない。

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