2023/08/05

パリSG:エムバペ移籍騒動は、むしろ崩壊への序章にすぎない?

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 仮にキリアン・エムバペがパリ・サンジェルマンを後にすることになるならば、それはサッカー面でみれ、あまりに大きな損失であることは間違いない。ただこのところ続いていた、チームを揺るがすネガティブな話題には終止符が打てるはず・・・だろうか?フランスやスペインのメディアがこ報じているように、むしろエムバペの退団はクラブの内部分裂への始まりにすぎない可能性がある。ここでの中心人物となるのが、パリ・サンジェルマンの戦略アドバイザー、ルイス・カンポス氏である。同氏はASモナコ時代より知るキリアン・エムバペの腹心とされるが、ただ今回のエムバペに関する問題にはほぼ顔を出していない。

 仏紙レ・キップによるとエムバペが延長オプションを行使しないと決めた後、選手側とクラブ首脳陣との間を取り持とうとしたようだが功を奏さなかったという。その結果ケライフィ会長を中心とするカタールのリーダーたちはカンポス氏を追い込んでいくこととなり、この夏にウガルテやアセンシオといった「B級移籍」を担当しつつ、ウスマン・デンベレやリュカ・エルナンデス、ゴンサロ・ラモスといった選手たちはケライフィ会長が担当。カンポス氏がリールで大成功を収め、パリに招聘したクリストフ・ガルティエ監督が退任となったために、カンポス氏の影響力はますます低下、孤立が強まり敵対心も増長している模様。

 仏紙ル・パリジャンによれば、カンポス氏はチームとの協力な繋ぎ手であるエムバペがこのまま去るならば、カンポス氏自身もクラブを後にする可能性があるとのこと。ただそれは決して一筋縄でいくものではない。カンポス氏との雇用関係はパリ・サンジェルマンと直接ではなく、スペインのセルタ・デ・ビーゴなどを含める外部コンサルタントとして勤務。本籍がモナコにあるため、税金対策的にパリ側にとっては有利な話だったのだが、仏紙レ・キップによれば以前よりフランスの税務当局の陰に怯えており、そのためカンポス氏が解任となれば相当の和解金を得るために当局に働きかける可能性もある。

 しかもこれがエムバペ、カンポス氏の退団のみならず、スペインのマルカ紙によれば、ルイス・エンリケ新監督の去就にさえ、影響を及ぼしかねないようで、仮にエムバペが残っても例えばクラブ首脳陣から起用しないよう指示を受けたり、売却後の戦力獲得など、状況次第で早期退団も検討していると伝えた。加えてマルカ紙によればラフェル・ポルACも個人的な理由で退団を検討中。なお一連のこれらの報道についてクラブ側は、移籍専門家ファブリツィオ・ロマーノ氏によると「この噂は馬鹿げているし、まったくもって不適切。カンポス氏やエンリケ監督が退団するなど、全くもってナンセンス」と否定している。ただここ数年のパリでの動きを見る限り、いかなる可能性も完全に排除することはできないだろうが・・・。

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