2022/09/11

ヴォルフスブルク:クルーゼ構想外の判断の甘さが招く、代償の大きさとは

©️IMAGO/Christian Schroedter

 わずか数週間前まで、ニコ・コヴァチ監督はマックス・クルーゼに対して、惜しみなく賞賛の言葉を送っていた。ベテランストライカーが今後ヴォルフスブルクにおいて、重要な役割を果たすと強く確信しており、プロフェッショナルで、シーズン15得点10アシストは挙げられる、「バイエルンのミュラーのような」スキルを持った選手であるとも語っていたのだが・・・。

 ただ皮肉なことではあるがその引き合いに出したミュラーとコヴァチ監督は、実際にはバイエルン時代にあまりうまく行かなかった関係性ではあり、その期待をかけたクルーゼについても最終的には、今週末には遂にヴォルフスブルクから三行半が突きつけられた事実が明らかとなっている。

 今年の1月に前任者であるフロリアン・コーフェルト監督の要望で迎え入れた元ドイツ代表は、実際のこの夏にそのコーフェルト監督がチームを後にするも、まだ自分のヴォルフスブルクでの時間は終わっていないことを強調。だがそんな意欲も虚しく冬を待たずしてその幕切れの時が訪れてしまった。

 規律面を非常に重要視するコヴァチ監督と、「決して練習の虫ではない」と公言する天才肌で感覚的なクルーゼとの間では相反するものがあり、明らかなオーバーウェイトと練習不足、また自身のエンターテイナー性には注目してSNSに4時間を費やすなど(最近ではYoutubeチャンネルを立ち上げて妻との他愛のない会話を発信)、現在の所属クラブの事情についてあまりにも配慮に欠けていた行動が、クルーゼを問題児へと化すことを助長している。

 とりわけ今週末のフランクフルト戦までは未勝利で、攻撃面に問題を抱えていたコヴァチ監督としては、もはや大きな判断を迫られる状況へと陥っていた。つまり前任者のようにクルーゼを主役として演じさせ続けるか、それとも完全に排除してしまうのか。最終的に下されたのは後者だったわけだが、これはあまりに遅すぎる判断であったことは否めない。

 まだ移籍市場が開かれていれば高給取りであるベテランストライカーの受け取り先も見出せたかもしれないが、いまは少なくとも今冬まではこのまま在籍することになり、しかも今後も引き続き練習には参加するというのだから安定化をはかりたいコヴァチ監督にとっては爆弾を抱えているようなもの。果たしてヴォルフスブルクはどのような状況で、ワールドカップ開催で一足早く訪れることだけが救いの年末を迎えられるだろうか。

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