2024/04/04

記録級の若気の至り?『退場王』の『逸材』ラクロワ

©️IMAGO/Steinbrenner

 週末に行われたヴェルダー・ブレーメン戦にて、マクサンス・ラクロワは2つのブンデスリーガ記録を樹立した。まず1つはシーズン2度目となる1シーズン3度の退場処分をブンデス史上初で記録したこと。そしてもう1つは2年も上回る史上最年少でブンデスリーガ6度目の退場を記録したことである。しかも2020年以降の退場総数でみても、ドミニク・コール(マインツ/フランクフルト)やピエロ・インカピエ(レバークーゼン)の3度、そしてオザン・カバク(ホッフェンハイム/シャルケ)の4度を抑えての、最多退場回数というおまけ付きだ。

 ただ別の側面でみてみると、ラクロワのイメージは一変するかもしれない。たとえば今回のブレーメン戦にて記録した今季3得点目は、センターバックながらチーム3番目となる得点数であると共に、ハーゼンヒュットル新監督の初陣を飾る大きなお通しとなるゴールだった。しかも若干23歳でブンデス100試合以上に出場するなど「彼は逸材、素晴らしいセンターバックだよ」とオーストリア人指揮官が賞賛の言葉を贈るのも頷ける話だ。「ポゼッションに関してはまだ改善の余地があるがね。彼ならきっとそれも克服できる、それだけの優れたテクニックももちあわせているんだ。ケアレスミスも解消されるよ」

©️Getty Images

ブンデス記録級の『若気の至り』?

 だがそんな若気の至りも、少々度が過ぎすぎているかもしれない。ブレーメン戦におけるロマーノ・シュミットに対するファウルの場面についてみてみても、明らかな不用意なプレーから意図的にフアウルで止めるところまで追い込まれており、キャリアはむしろこれからという中でブンデスリーガ最多退場記録(8試合、ルイス・グスタボとイェンス・ノヴォトニーが保持)更新も目前という状況なのだから・・・。

 「退場王?そう呼ばれることに、問題なんか感じないよ」と先日にキッカーとのインタビューで強調していたラクロワ。「実際そうなんだから。これもまたサッカーのキャリアの一部ということなのだろう。ここから学んでいかないといけないのさ」と言葉を続けている。「もっと集中してプレーしなくてはいけないし、ミスから学んで成長に繋げていかないといけない」

©️IMAGO/Jan Huebner

若手成長への”代償”は高くつく?

 せめて今回の退場は事前にブレーメンで退場者が出ていたこともあり、敗戦に繋がらなかったことはせめてもの救いだろうが、ただし水曜日にはドイツサッカー連盟は「スポーツマンシップに反する行為」として予想通りに、2試合の出場停止処分を科すことを通達。そのため日曜に控えるボルシア・メンヒェングラードバッハ戦、そしてつづくRBライプツィヒ戦のいずれも欠場を余儀なくされることに。ラクロワとしてはせめて、今回の退場が勝ち点差8に広がった降格圏内までの距離短縮に繋がらないことを願うほかない。

 特にハーゼンヒュットル監督としては古巣で5位のライプツィヒ戦での勝利以前に、現在13位と苦しみ勝ち点数では28でならぶ、ボルシア・メンヒェングラードバッハとの直接対決での勝利が、より大きな意味をもつことだろう。にもかかわらず今回のラクロワの出場停止に加えて、セドリック・ツェジガーが累積警告のため同じく出場停止。守備陣2枚の入れ替えを迫られており、モリッツ・イェンツが代役として控える中で、辛抱強くラクロワの成長を促していく。

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