2024/02/20

長谷部誠「3失点とも僕のせい」と猛省も、指揮官は「落ち着かせてくれた」と擁護

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 土曜日に行われたブンデスリーガ第22節は、アイントラハト・フランクフルトと長谷部誠にとって1つの特別な試合となった。堂安律擁するSCフライブルクでのアウェイ戦は、元日本代表主将にとって移籍後公式戦通算300試合目となる1つの節目であり、 また先月に4誕生日を迎えた長谷部にとって、ひさびさとなる40代最初の出場を先発で飾ったのである。だが試合後のスタジアムの様子は、そんな日本が誇るレジェンドの記念日とは程遠いものとなってしまった・・・。

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長谷部誠「3失点とも僕のせい」

 そこではフライブルクの観客席ではブンデスリーガの投資家招聘への抗議が飛び交い、そしてクラブ公式TVでは打ちひしがれ、絞り出すように言葉を発する長谷部誠の姿が。「僕が起用されるということは、そこで僕は自分の経験を発揮できないといけません。でも残念ながら僕はその役目を果たすことができませんでした」とコメント。そして「僕たちは3失点を喫し、3度のリードをフイにしてしまいました。そしてあの3失点は、いずれも僕に責任がある。それは素直に言わないと。僕はあれを守らないといけなかった」と言葉を続けている。

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指揮官やドイツ誌からも擁護の声

 しかしながらkicker採点では4.5(最低点は6)。またこのことを伝えたドイツの大衆紙ビルトも”それは大袈裟すぎる。彼はチームメイトがその前に犯した酷いミスの連鎖の最後の繋ぎ目だったに過ぎない”と評価しており、トップメラー監督は「誠は良いプレーをみせ、何度も落ち着かせようとしてくれた。特にフライブルクはロングボールを多用し、容易ではない対応が求められ、結果的にあのPKの場面はそれに傷をつけてしまうものかもしれないが、大丈夫。きっと彼ならばそれをまた乗り越えてくるよ」と擁護したことも掲載。

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トップメラー監督「苦しい中で頑張ってくれた」

 さらにキッカーでも指揮官の言葉として、「まさに警戒していた安易なロストから、結果的にPK献上となってしまったことには苛立ちを覚えるが、しかしこういうところからリスクのかけどきというものを学んでいくということ。それに(失点や負傷交代など)苦しい流れの中ででも、そこから選手たちが良い反応を示してくれていたんだ」と選手たちの奮闘ぶりを称え、「観客にとってはスペクタクルなものだったろうが、監督としては疲労困憊する試合だった。確かに勝てなかった怒りもあるが、ただ同時に最初から最後まで選手の戦う姿は誇らしかったよ」と強調した。

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トラップは大幅なチーム再建と現状を冷静に評価

 加えて守護神ケヴィン・トラップは「昨夏に大幅な入替えをして今冬4人獲得。コーチ陣まで様変わりしてるし、いつ以来の変化だろうか?それでも良いシーズンで終わる可能性はあるんだ」と、EL出場権を争う7位フライブルクから、敵地で3失点を許しながらも貴重な勝ち点1を確保、勝ち点差4を保って6位の位置につける意味と現状について前向きに総括したが、ただそこでさらに追い討ちをかけたのが、その翌日になって判明した、今冬よりウォルバーハンプトン・ワンダラーズからレンタルしたばかりの、サシャ・カライジッチからの悲報だ。

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カライジッチから悲報、自身3度目の前十字靭帯断裂

 フランクフルトが求めていた待望の大型FWとして、移籍後6試合に出場し1得点をあげるなど尻上がりに調子を上げていたオーストリア代表FWだったのだが、26歳でなんと3度目となる前十字靭帯断裂が判明。今季中の復帰はもはや絶望的で、さらに来夏に控えるユーロ2024での参加も困難となってしまった。ただこれほど残念な知らせであっても、フランクフルトに求められることは、まさに激動の連続だったフライブルク戦でみせたように、荒波にもまれても懸命に体勢を整え、前を向く結果に繋げていくことであろう。特にフランクフルトはカライジッチにみならず、ウーゴ・エキティケもこの冬にパリ・サンジェルマンより獲得。これをむしろチャンスに変えていきたい。

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