2024/04/12

【解説】ニューベル再レンタルから紐解く、バイエルンの未来予想図

©️IMAGO/Pressefoto Baumann

 バイエルン・ミュンヘンは、27歳のGKアレクサンダー・ニューベルと2029年まで契約を延長し、VfBシュトゥットガルトへ来季も引き続きレンタル移籍することを発表した。これにより、ニューベルは少なくとも来シーズンいっぱいはシュトゥットガルトの一員となり、状況次第ではさらに1年プレーする可能性もある。

 その状況とは、仮にノイアーが来季も好調を維持した場合、40歳を迎えることになる2025/26シーズンも1年延長する可能性があり、ニューベルとしてはバックアップに甘んじることなく、ノイアーの後継者としての経験値を蓄積していくことが可能だ。さらに今回の延長に伴い、サラリーも改善された。

 2020年夏、ニューベルは前任者ノイアーと同じ道筋を辿り、主将を務めていたFCシャルケ04からバイエルンへと移籍。しかしながら、わずか4試合の出場のみにとどまると、出場機会を求めて翌年にはASモナコにレンタル移籍。そこで先発GKとしての出場機会を確保すると、リーグ戦やヨーロッパリーグなどで合計91試合で出場を果たした。

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シュツットガルトで活躍、注目度高めたニューベル

ただその一方でニューベルは、重傷を負い長期離脱したノイアーの後継者問題に揺れ、一時は退団の可能性も取り沙汰されながらも、昨夏VfBシュツットガルトにてブンデスリーガ復帰を果たすことになる。そこではここ数年は残留争いを展開するチーム状況にあったが、しかしながらブンデスリーガ残り6試合時点でバイエルンと勝ち点で並び3位。

 UEFAチャンピオンズリーグ出場権獲得に向けて順調に歩みを進める中で、ニューベルは守護神としてチームを支えてきた。その活躍は当然のことながらバイエルンも注視しており、クラブ内における欧州でのゴールキーパー市場の精査の結果、ニューベル世代のゴールキーパーとしては彼が最も有能なゴールキーパーという結論に至ったのである。

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三者ともにWIN・WINのディール

 つまり今回の契約延長に伴い、バイエルンはノイアーの状況に柔軟に対応できるだけでなく、仮に来夏復帰となればCLでの経験も積んだ有能なGKを自由に迎え入れることが可能ということである。そしてニューベル自身にとっても、欧州トップクラブでの未来が改めて開かれた格好だ。無論、シュツットガルトにとっても、来季も守護神残留を果たせた意味は大きい。

 果たしてそれが2025年までとなるのか、それとも2026年になるのかはわからない。だが1つ確実なことは、現在抱える筋肉系の問題を克服し、戦列復帰を果たさなくてはならないということ。ブンデスリーガ残り6試合時点でCL圏外となる5位ドルトムントとの勝ち点差は7。まだ首位レヴァークーゼン、2位バイエルン戦も残されている。

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