2024/02/14

原口元気、苦渋の決断。好調シュツットガルト残留の背景とは

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 ちょうど1年前の冬の移籍市場で、当時上位争いを展開していた好調1.FCウニオン・ベルリンから、逆に残留争いの真っ只中にあったVfBシュツットガルトへの移籍を決意した、原口元気。あれから1年が経過し、それぞれもチームは全く逆の立場へと変わった。古巣となったウニオンは現在は残留争いを展開。そしてシュツットガルトは、加入後まもなくして就任したセバスチャン・ヘーネス監督の下、現在はチャンピオンズリーグ出場圏内となる3位と大きな飛躍を遂げているところ。

 とりわけ大いに称賛に値するのは、それまでブンデスを席巻していたセール・ギラシをはじめとして、今冬のアジア杯、アフリカ杯で主力級を失い、年明け最初の2試合ではグラードバッハ、ボーフムに連敗を喫する苦しい展開に陥るも、そこで迎えたライプツィヒ、フライブルクとの強豪対決を共に快勝で制してみせると、先日のマインツ戦でも3−1で勝利。無事にこの期間を乗り越えてみせただけでなく、敗れこそしたが今季無敗のレバークーゼンに勝利まであと僅かにまで近づく善戦をドイツ杯でみせるなど、まずます勢いに乗っている印象。

好調シュツットガルト、ドイツ代表に4選手を輩出?

 それはドイツ代表メンバー候補にも、数多くの候補者が上がっている点からも明らかであり、すでに代表初招集を受けたクリス・フューリヒに加えて、現在は遠藤航移籍から主将を担うヴァルデマール・アントン、伊藤洋輝の負傷離脱のチャンスを活かして左サイドバックで欠かせない存在となったマキシミリアン・ミッテルシュテート、そしてセール・ギラシが負傷し先発から外れた試合で8得点2アシストと大暴れしたデニス・ウンダフなども、来月に控える自国開催のユーロに向けた最後の代表戦期間で名を連ねているかもしれない。

原口元気、今季わずか2試合の出場のみ

 逆に伊藤洋輝もまた、ダン=アクセル・ザガドゥの離脱を、同じ左利きのセンターバックとして埋めており、  チームが一丸となってカバーし合っている一方、それでも出場機会を得られない日々を過ごしているのが、原口元気だ。今シーズンの出場はわずかに2試合のみ、20分間だけにとどまっているベテランMFについては、今冬の移籍市場では伊藤達哉が所属するブンデス2部1.FCマグデブルクや、スイスの2クラブからもオファーがあったとドイツの大衆紙BILDが報道。いすれも上半分につけているクラブだったというが、原口の選択はあくまでシュツットガルト残留にあったという。

スイスから関心も残留を決意した理由

 同紙によれば原口元気がシュツットガルトに残ることを決めた理由として、シュツットガルトで快適な生活を過ごすなか、まもなく夫人が第一子を出産予定のため、ここでの引越しは困難を伴うとの判断であったとも伝えており、その一方でBILD紙は常にトレーニングで妥協することなく、全力を尽くしつづける原口元気に『敬意を表する』とも報道。ただこれからアジア杯やアフリカ杯から選手たちが復帰し、そして中盤ではドイツ代表経験もあるマフムード・ダフードを獲得するなど、苦悩の日々からの脱却への道は厳しくなる一方だ。なお契約はこの夏いっぱいで満了を迎える。

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