2024/01/10

背水の陣テルジッチ監督、後継になりうるシャヒンとベンダー両氏の招聘へ

すでにその傾向は明らかとなってはいたが、ボルシア・ドルトムントの2人のレジェンド、ヌリ・シャヒンとスウェン・ベンダーが共にACとして、ボルシア・ドルトムントのコーチ陣に加わることになった。確かに前者にとっては2021年夏に当時選手として在籍していた、トルコのアンタルヤスポルの監督から立場的には1つ下がることにはなる。しかしながらかつてキッカーとのインタビューの中で2018年のブレーメン時代に、シャヒンは再び指導者としてドルトムントのスタジアムで勝利を祝う姿を夢見ていることを明かしており、現在所属するロイスやフメルスら中心選手、テルジッチ監督ら指導者らとの深い信頼関係が、同じく懇意しているヴァツケCEOとの話し合いの中で再合流という結論に至ったのだろう。

背水の陣のテルジッチ監督、自ら後継者候補招聘へ

前半戦を振り返ったクラブ首脳陣は最終的には現行の体制継続を判断、そしてキッカーが得た情報ではそもそも、今回の2人の入閣はテルジッチ監督自身からのアイデアだったようで、招聘にあたり指揮官は「過去にも試みてきたこと。彼らの知識と経験はチームをより豊かにしてくれるだろうし、彼らもまたここで成長していくと思う」と期待。一方のシャヒンは「アンタルヤスポルでの2年以上の時間を過ごし、この監督職から退くという判断は決して容易なことではない。非常に濃密な学び多い感動的な時間を過ごせたことに感謝の気持ちを伝えたい。ただドルトムントからの声がけに断りはできなかった。これから監督らと一致団結して軌道修正に貢献していきたい」と意気込みを語った。

トルコ代表として52試合でプレーした経験を持つ元MFは、ユースから飛躍を遂げたドルトムントでブンデス通算223試合に出場し21得点、40アシストをマーク。その後にレアル・マドリード、リバプールを経て復帰。そしてブレーメン、さらにこれまで在籍してきたトルコのアンタルヤスポルに渡リ監督としての結果も着実に重ねている最中であった。そのためテルジッチ監督としては頼りになる仲間がコーチに加わったと同時に、自身の後継にもなりうる人物の脅威を背中に感じながら職務にあたることにもなるはずだ。

元スター選手で海外で監督としての経験を積んだシャヒンとアロンソ

現役時代にユルゲン・クロップ監督から最も影響を受け、そしてそれまではSDとしての将来を見ていたシャヒンを卓越した手腕で魅了し監督の道へと誘ったトーマス・トゥヘル監督、ジョゼ・モウリーニョ監督らから指導を受けてきた、現役時代より監督的な雰囲気を醸し出していたシャヒン。特にそういった部分で比較すると、現在首位に立つバイヤー・レバークーゼンのシャビ・アロンソ監督もまた、中東の地で監督としての経験を積んだ現役時代から監督のような雰囲気を出していた元スターMFだ。

余談だが来季よりレアル・マドリード移籍の可能性が取り沙汰されていた元スペイン代表だが、そのレアル・マドリードから来夏にブラジル代表監督に就任すると言われていたカルロ・アンチェロッティ監督が、ブラジルサッカー連盟騒動の最中にレアルとの契約を延長。才気あふれる指揮官と勢いある若きチームの飛躍は、来季以降にもドイツサッカーを魅了していくかもしれない。

ベンダー氏はドイツユース代表から加入

また2009年から2017年までドルトムントに在籍していたベンダーは、直近ではドイツU16代表監督を勤めており、すでに大衆紙ビルトが招聘に向けて契約解除の話し合いが持たれていることを報道。契約期間はシャヒン、ベンダー共にケールSDやテルジッチ監督と同じ2025年夏まで。仕事始めは早速1月2日から。一方でベテランのアルミン・ロイタースハーンACの退任は以前より明らかとされている。

ダルムシュタット、ヴェールマンSDが退任

その一方でダルムシュタットは昨季にブンデス昇格に導いた、カーステン・ヴェールマンSDの退任を発表した。5年を経てクラブを後にすることについて、同氏は「変化の時がきた」と述べており、ただまだ昇格シーズンも最中でリーベルクネヒト監督との契約も延長したことなどの背景を踏まえると、この発言からはクラブとしての限界点に達したという感格を覚えているのかもしれない。またダルムシュタットは同氏との契約を無期限ながら今回行使した解除条項を付随させるスタンスをとっており、想像するほかないがこのような状況も想定できる内容だったならば別の見方をすればヴェールマンSDの代わりは見出せると鷹を括っているのかもしれない。ただ現状においてそれを果たすことはかなりの難題だと言えるだろう。

移籍情報

ウニオン;レアンドロ・ボヌッチのASローマ移籍は頓挫の流れにある模様。アフリカ杯の影響もあってCBの補強を目指しているが、元ユベントスDFへのファンからの反発は強く、また首脳陣もウニオンで苦しむボヌッチのクオリティ面で疑問を持っていたようだ。

レアル;来夏までとなっていたカルロ・アンチェロッティ監督との契約を2026年夏まで更新したと発表。当初は来夏の満了を持って退団する見通しだったが、その移籍先と見られていたブラジルサッカー連盟で会長退任騒動が勃発。そんな中での突然のアンチェロッティ監督の延長発表となった。

インテル;ディ・マルコ(2027年まで)やダルミアン(2025年まで)に続き、ヘンリク・ミキタリアンも2026年夏まで契約を更新したことが明らかとなった。

トッテナム;11年半を経てウーゴ・ロリスがスパーズを退団、MLSのロサンゼルスFCに移籍することになった。37歳のGKは新天地とは2024年までの契約を締結、さらに2年間の延長オプション付きにもなっている。

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