2024/01/15

注目発言集、ノイアーの金字塔、ドルトムント黄金コンビ、アウグスブルクの涙

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 金曜日から再開されたブンデスリーガ第17節。優勝争いを展開するバイエルン・ミュンヘン、そしてバイヤー・レバークーゼンともに、苦しいながらもなんとか勝利をおさめて順調に勝ち点を重ねていった。それを追いかけるボルシア・ドルトムントも、復帰したジェイドン・サンチョがさっそく違いをもたらして勝利。ライプツィヒがフランクフルトに、シュツットガルトはグラードバッハに敗戦したために、CL出場圏内にさらに歩みを進めることができている。そんな三者の試合の舞台裏での注目コメントを、以下にまとまていこう。

アウグスブルク0−1レヴァークーゼン

  首位バイヤー・レバークーゼンもまた、FCアウグスブルクを相手に土壇場まで苦戦を強いられる展開となった。「我々は守備面で非常にうまく機能していたし、スペースをカバーしてもっと攻撃にも繋げたかったが、ただそこではトランジションのみで際どいオフサイドの判定も含め、なかなかゴールネットをゆらせなかったよ」と、アウグスブルクのトルップ監督は総括。「結果的にロスタイム4分で決勝弾を沈められては悔しさも募るさ」と付け加えており、そのオフサイドだったティーツも「精力的な守備が結果として報われなかった」と悔しさをみせつつ、「でも総じてみてレヴァークーゼンは今季絶好調で、そこで胸を張れる戦いができたことは忘れてはいけないと思うよ」と前を向いている。

 実際にスタッツでみても枠内シュート数は24本vs4本、支配率でも76%をレヴァークーゼンが記録するなど圧倒された感は否めず、GKフィン・ダーメンらを中心に守りで奮闘したことは確かな事実だ。デミロヴィッチは「土壇場での敗戦はやっぱりつらい。彼らの力はわかっていたからとにかく懸命なプレーを心がけてカウンターを狙ったんだけど」と意図を説明、さらにダーメンは「たいていのブンデスのチームは彼らにそう対峙するもので、それは93分間は本当にうまくいったんだけど、でも94分目であのような痛い目に遭ってしまった」と、自身にとってもブンデス初のクリーンシートを逃した試合のあとに肩を落とした。

 一方のロルフェスSDは「素晴らしい勝利。好機は多く信じてた。ピッチは悪くとも質の高さを示せた。序盤から支配し万事OKではないが結果はよかった。パラシオスは高いテンポで脅威となり素晴らしいタッチからゴールをこじ開けた。最後まで尽くす、違いをもたらす選手」と述べ、アフリカ杯で主力2CB不在も、累積警告を睨み出場を見合わせたターについては「コーチの判断で重要な存在。アンドリヒがリベロでプレーできるしね」とコメント。

 そのアンドリヒは「諦めず粘り強くプレーできた」と述べ、ホフマンは「興奮冷めやらないよ。アドレナリン爆発寸前だ。こんな感覚は滅多に経験できない」と興奮。主将フラデツキは「年明け最初でこういう勝利は自信に繋がる。冷静であり続け得点への自信をもち最後に決める質をみせた。これまでの成功に蓄積の結果でもあり、この勝利への貪欲さを失ってはいけない。僕自身も気を抜かないようにしないと」と総括した。敗戦すれば批判も避けられない思い切った決断だったが、結果は8試合目のクリーンシート。カウンター攻撃のライプツィヒ戦にターを動員可能になった意味は大きいだろう。

バイエルン3−0ホッフェンハイム

 フランツ・ベッケンバウアー氏の追悼試合として開催された金曜夜のホッフェンハイム戦では、マヌエル・ノイアーが相次ぐ好セーブで勝利に貢献。特にバイアーのヘディングシュートを卓越した反射神経で未然に防ぎ、その後にクラマリッチとの1vs1を制するなどその圧倒的な存在感を改めて示してみせた。キミヒは「最後にマヌがいる幸運」を強調し、ミュラーは「マヌに頼らざるを得ない状況が生まれてしまった。でも彼がうまくやれたなら僕らにとっても悪くないこと。至近距離での好プレーは見ていて本当に興奮した」と称賛。特にこの試合はバイエルン公式戦通算500試合目の出場でもあり、「すごい数字で、これほど長くうまくやれて成功できるとは思っていなかった」とノイアー。特に「重傷をおってきたことも踏まえると、僕にとっては贈り物だ。みんなの後押しを受けて、とにかく復帰を信じて取り組んできた結果だ」と喜びもひとしおだった。

グラードバッハ3−1シュツットガルト

 3位シュツットガルトは開始早々からグラードバッハに先制点を許す苦しい展開となっており、へーネス監督は「満足などできるものではない。こういう試合の立ち上がりとして条件はわるかった。立ち上がりが悪く追いかける展開となってしまい、3バックに変更してプレーに幅をもたせたかったが、ストラクチャーが見出せずおかしな感じになっていたね」と総括。デニス・ウンダフも「開始早々にリードを許すなんて。グラードバッハが深く構える事は予想済みで、僕らはもっと上手く守らないと。それで得点チャンスも生まれる。実際2度の好機はあったし決めないといけなかった。それで前半は流れが違った」と述べ、「でも後半はいい反応をみせたし、そこから学ばないと。ギラシ不在に相手も対応しやするなってるだろうけど、でも今は僕自身重圧は感じてない。自分のできることをやるだけさ。確かに彼は相手を引きつけてくれるし、それは大きいこと。でも今は別の選手が奮起しないといけないし、僕だって自分に満足できてない。枠外シュートが多すぎる。それにミローがもっとスペースを確保できるように前に出て相手DFを引きつけないと」と反省の弁を語った。

ドルトムント3−1アウグスブルク

 後半55分よりジェイドン・サンチョが、実に966日ぶりにブンデスリーガの舞台へと戻ってきた。最下位ダルムシュタットを相手に苦戦を強いられながらも、ブラントの先制弾を守ってきた新天地にて、23歳のアタッカーは決勝点となる追加点をマルコ・ロイスにお膳立て。これは2004年以降ドルトムントの選手として歴代2位のアシスト数(53、1位はロイスの113)であり、またそのうちロイスに対しては11得点目のお膳立てという、まさに『黄金コンビ』の復活を高らかにつげる得点にもなった。「ジェイドンは本当に活き活きとプレーしていたね」とコメント。テルジッチ監督も「笑顔のジェイドンはもっと良いプレーができる。そういった才能以外の要素だってあるんだ」と語るように、特にそのサッカーへの楽しみこそ、サンチョがマンチェスター・ユナイテッドで失っていたものであり、エリック・テン・ハフ監督との不和から出場停止処分を言い渡されていた。

 「まだ若いキャリアのなかで様々な経験をしてきた選手。いま初めての壁に直面しているところであり、それは誰もが経験すること。我々は彼のもつ資質を信じている」と指揮官。「それを今日示唆していたし、きっと新たな時代の幕開けとなるだろう。打開力があり卓越したキラーパスを供給できる、非常に貴重な存在となる可能性があるよ。絶妙なタイミングを見出せるんだ」と言葉を続けている。ロイスも「ジェイドンとのプレーは楽しい。彼は違いをもたらせる選手。不利な状況を有利に変えることができるんだ」と賛同。ただこの日の試合に関しては「カップ戦みたいになった」と泥臭いながらの勝利であることも認めており、テルジッチ監督は「思惑通りにいったわけではない」と回顧。 特にその守備を支えていたのが、風邪のフメルスに代わってCBで出場したエムレ・ジャン。体調面で上がり切れないズーレに向けた、厳しいシグナルであり「ときにこのクラブでは厳しい決断も強いられる。いい選手が揃っているし、ベンチでもそうだ。」と語った。

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