2024/03/22

アディダス社とドイツ代表の歴史に幕!独連盟に再び批判の声「もう少し愛国心があっても…」

©︎picture alliance/dpa/Kessler-Sportfotografie

 これからドイツ代表の一時代に、1つの幕が下されようとしている。実に70年間にわたってユニフォーム・サプライヤーを務めてきた、ドイツのフランケン地方ヘルツォーゲンアウラッハに本社を構えるアディダス社から、米国のライバル企業であるナイキ社へとその道を譲ることが明らかとなったのだ。契約は2027年からとなっており、それから7年間サプライヤーを務めることになるという。

 ノイエンドルフ独サッカー連盟会長は「我々はこれからナイキ社との深い信頼関係で結ばれた協力を楽しみにしているところだ。これによりドイツサッカー連盟は今後10年間を見据えて、サッカーの包括的な発展を目指し邁進していくことができるということ。だが同時に明白であることは、2026年12月まではドイツサッカー界が70年以上にわたり多大なる恩恵を受けてきた、現在のパートナーであるアディダス社との成功を全力目指していくことにある」とコメント。

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ディ・サルボ監督「連盟は直前まで全く予兆さえ見せていなかった」

 これまでのアディダス社との取り組みのなかでドイツ代表は共に、ワールドカップ4度優勝、ユーロでは3度の優勝、さらに女子でも2度のワールドカップ優勝と8度のユーロ優勝を共に祝ってきた歴史があり、また最近では特にドイツサッカー連盟の取り組みへの批判なども相待って深刻なドイツ代表離れへの歯止めが叫ばれる中で、アディダス社は自国開催のユーロ仕様のアウェイキットを歴代最高の売り出しをみせていると発表したばかりだ。「非常に驚いたよ」と吐露したアントニオ・ディ・サルボU21代表監督は、「1時間前にこのことを聞いた時、誰もが驚きの表情をみせていたよ。何も知らず、その兆しもまったく感じていなかった。特にユーロ仕様のユニフォームの発表直後だしね。ただ背景も知らずに深入りするのは私の立場では禁物だろうが」と漏らす。

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ファン離れの歯止めの時期に「もう少し愛国心をみせても・・・」

 またドイツサッカー連盟ホルガー・ブラスク代表取締役は「今回の入札は非常に透明性があり、偏見など一切なかった結果である。ナイキ社は最も好条件のオファーを提示しており、またコンテンツのビジョンに関しても、女子やアマチュア界など競技の促進という部分で説得力のあるものだった」と強調はしているが、現在キッカーで行っているアンケート調査では、現時点で90%の読者が今回の変更について否定的にみており、更にロバート・ハベック連邦経済大臣は「あのスリーストライプスのないドイツ代表のユニフォームなど想像もつかない。アディダスと赤黒金の組み合わせは、私にとっては恒久的なもので、ドイツという国の象徴の1つだと思う。もう少し愛国心を期待したかった」と、この決定について批判。

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強い批判の声に独連盟が正当性を強調」

 しかしながらその後にドイツ作家=連盟は公式Xにて反論を展開。「あらゆる声について理解はしておりますし、多くの特別な瞬間を共にしてきた特別なパートナーシップが、70年以上の歴史を経て終わりを迎えることは、我々にとって大変大きな出来事です」としつつ、「何より我々はドイツサッカーの発展に取り組んでおり、そしてドイツサッカー連盟には加盟する協会に資金提供をするという特別な立場もある」と正当化。ハンデルスブラット紙によればアディダスは年間5000万ユーロを支出していたが、ナイキ社はその倍以上の金額をもって説得したとされる。ナイキ欧州はSIDに対して「2027年からドイツサッカー連盟のオフィシャルパートナーとなり、サッカーの将来の可能性を解き放つためのご協力ができることをうれしく思う」とコメント。男女チームのサポートと競技面への発展への意欲をみ強調した。

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