2023/12/23

ケルンの移籍禁止処分を深掘り!

©︎IMAGO/Beautiful Sports

 木曜日の午後3時45分ころ、1.FCケルンの首脳陣は短いメッセージにて、国際スポーツ裁判所(CAS)から世界サッカー協会(FIFA)による移籍禁止処分を承認したことを通達された。ジャカ・クベル・ポトクニクが他クラブとの契約下にあるにもかかわらず、契約違反を扇動して獲得した疑いにより今後2度の移籍期間、正確にいえば2023年12月21日から2025年1月の移籍期間開始まで、新たな選手と契約することを禁じられることになる。それでは具体的に現在ブンデス2部降格の危機に瀕している1.FCケルンは、この低迷期から脱する重要な時期にあって更に問題に直面していくのだろう?改めて下で解説していく。

現在のケルンにできる事

 この禁止期間中に1.FCケルンは、新たな選手をプロチームに登録することができない。ただしレンタル移籍している選手に関しては、レンタル終了後にケルンに復帰することは可能。しかしながら早期の契約解消に伴う復帰は認められない。つまりはFWティム・レンペルレやGKヨナル・ウルビヒ(共にブンデス2部フュルト)の復帰は、予定通りに夏以降ということになる。また現在契約している選手との、さらなる契約延長に関しても特に制限はなく、また女子チームや14歳以下のユース選手についても特に影響を受けることはない。

ケルンに想定される被害概要

 具体的な損害としてまず考えられるのが金銭的な部分だが、こちらについてはクラブがこういう場合に備えた保険に加入しており、さほど大きな被害を被るということはないだろう。むしろやはり降格の危機に瀕しているサッカー面でのクオリティにおける影響が深刻であり、巻き返しをはかるための新戦力を一切獲得することができない。そのためこの負のスパイラルを止める手立てを他に見出せなければ、想像を超えたダメージがケルンに押し寄せてくる可能性もあるだろう。

ケルンが対抗策に出る可能性は?

 それではケルンはこの判決に民事訴訟で対抗策を模索するのか?その兆しは現在は見受けられないものの、それでもその可能性は否定はできないだろう。「我々は様々な選択肢を検討していく」とテュロフ弁護士は述べており、ただ同時に「仲裁裁判所後の新たな決定が成功する可能性は比較的低い。我々はこれ以上進むとは想定していない」とも付け加えている。

ケルン立て直しのキーワード「落ち着き」

 ではいかにして、この状況から立て直しをはかるのか。責任者であるケラー強化担当は、「このような事態に備えるために、我々は意図的にこの夏に多くの契約延長に取り組んだんだ」と説明。確かに既存の主力選手に関してはたとえ2部降格の憂き目にあったとしても、「ほぼ全員」がこのままチームにとどまることが可能にはなっている。つまりこの状況で慌てることなく、物事に対処していく下準備は整っているという意味だ。

ケルン立て直しのキーワード「若手の積極登用」

 また将来に目を見据えるという点でいえば、これまで若手の台頭がものなりなかったケルンにおいて、例えばマックス・フィングレーフェのように今後チャンスを手にする選手が出てくる可能性もあるだろう。「我々は普段の状況であれば行わないような事にも手を出せる。経験の浅い若手選手の起用への勇気も必要かもしれない」とケラー氏。

禁断のディール登用?「監督交代の効果」、

 確かにケルンのセカンドチームには、19歳ながら4部相当ですでに12得点をマークしている期待の若手ストライカー、ジャスティン・ディールという選手もいる。しかし先日退任したバウムガルト監督はあくまで、来夏までとなっている契約更新がトップチーム起用の条件として掲げていた。だが「ジャスティンに加わる意思があれば、我々は喜んでそれを行う」とケラー氏が語っているように、今回の監督交代による刺激策がチームに影響をもたらす可能性もある。

マインツ、ジーベルト監督と正式に契約

 それではこの日のもう1つの大きな話題を。同じく成績不振からボー・スウェンソン監督を解任した1.FSVマインツが、それ以降から暫定として指揮をとっていたダニエル・ジーベルト氏と2026年までの監督契約を締結したことを発表した。2020年よりユースチームの監督を務め、今年11月からトップチームを引き継いでいた41歳について、シュミットSDは「これまでの状況について時間を十分にかけて徹底的に分析し、その結果で彼とならば残留を果たせるという確信が得られた。最善の決断だと思っている」とコメント。

「クラブを熟知した、信頼と刺激をもたらせる監督」

 たしかに就任から7試合での勝利はわずか1つのみではあるものの、その一方で敗戦数は2つのみ。特に守備面における安定化が顕著だったいうこともあり、「彼はチームにポジティブな刺激をもたらし、選手やスタッフからの信頼も厚く、またこのクラブのことを熟知している。この任務に情熱をもって取り組んでいるよ。常にオープンに意見交換を行ってきたし、共にチームのクオリティ、スピリット、ファンやクラブの団結力をもって成功へと導いていきたい。きっとそれを実現できるはずだ」と語った。なお現在は入れ替え戦となる16位で、安全圏内のウニオンまでの勝ち点差は3。

主な移籍情報

ウニオン:レオナルド・ボヌッチはどうやら、ウニオン・ベルリンからの退団を希望しているようだ。 イタリアのスポーツ紙『コリエレ・デッロ・スポルト』によると、36歳のディフェンダーは、今夏の移籍市場閉幕前に加入するも期待に応えることは叶わず、移籍先候補としてASローマが浮上中。

シュツットガルト:ブライトンからレンタル中のデニス・ウンダフに関しては、1200万ユーロの買取オプションが付随しており、ここまでの活躍をみれば行使は確実だろう。しかしヨーロッパリーグ、チャンピオンズリーグ出場権を獲得した場合には、その金額は更に上乗せされる仕組みのようだ。

シュツットガルト:既報通りマテオ・クリモヴィッツが、メキシコ1部アトレティコ・サン・ルイスに完全移籍することとなった。23歳のアルゼンチン人選手は、これまでレンタルでプレー。シュツットガルトは移籍金として約80万ユーロを受け取ることになる。

グラードバッハ:ヴェーバーはキッカーに対して「リーズからのレンタルの決意は、オーストリア代表ラングニック監督から、高いレベルで定期的に出場する事が条件として挙げられたから」と明かし、「ただリーズはまた良いサッカーをみせてるし、戻れというなら戻る。グラードバッハが買取ることになれば、そうなるよ」と語った。

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