2023/12/29

2023年度のドイツ『今年の顔』にシュミット監督

1990年よりドイツのキッカー誌が選出する『今年の顔』には、マンチェスター・シティで歴史的な強さを主将として牽引したイルカイ・ギュンドアンを抑えて、ハイデンハイムのフランク・シュミット監督が選出された、確かにギュンドアンはこの夏に自身の夢であった、FCバルセロナへの移籍を果たして主力を務める活躍を見せてはいるものの、ドイツ代表では思うようには事は運んでおらず、そもそもこの賞は成績面のみならず模範的な取り組みや姿勢を示す人物に焦点を当ててきた。

5部から1部へ導く手腕、高い共感を呼ぶ人間性

そこで今回は銀行マンから現ブンデス指揮官最長政権の立場となった、昇格組ハイデンハイムで前半戦に奮闘を演じて見せている49歳の指揮官に白羽の矢が立った格好。娘よりも3匹のチワワに愛されるなど、家庭についてもユーモラスに語るシュミット監督の家には、時折ファンが玄関に来るなど親しみやすさを醸し出す一方、出版した著書が今季ブンデス首位にたつレバークーゼンのシャビ・アロンソ監督も読んだことを対戦での会見で明かしており、仕事における真摯な姿勢、そしてその整然とした物腰で自ら5部から1部昇格に導いたクラブの立場を代弁する、その落ち着き払ったアプローチは、まさにグラスルーツにおける体現者として多くのドイツ国民からの共感を呼んできた。

「クラブとしての敗北」に最も遠いシュミット監督

例えば近年目まぐるしい監督交代劇については、フライブルクの「シュトライヒ監督と私が経験していることは、通常では考えられないようなことだと思う。別の言い方をするならば、他クラブで起こっていることは驚くべきことだ」とコメント。「まず監督を雇い入れる時、大抵は長年にわたって共に歩む新たな道と言われるものだが、しかし風向きが変わると急に自分たちの保身に走りがちになるのだから。まぁ確かにハイデンハイムやフライブルクよりも他クラブの場合は、ファンや組織、メディアなどの外部からの影響は大きいものがある」と言葉を続けており、今回シュミット監督との2ショットトークに臨んでいたシュトライヒ監督も「監督解任に至る時、それは監督を解任する他なかった、クラブにとっての敗北を意味するものだと考えている」と付け加えた。

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