2024/01/25

ビェリツァ監督がサネに暴力、ウパメカノ離脱、デイヴィースの苦境

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 今日1日、これだけのことを知っていれば、あなたもブンデスリーガ通!『今日のブンデスリーガ』の本日のテーマは、大雪のために水曜日に延期され開催されたバイエルン対ウニオン戦から。ウニオンのビェリツァ監督がサネに暴行を振るう愚行で解任の可能性まで浮上。一方バイエルンはダイアー獲得で落ち着いたCBで絶好調のウパメカノが負傷、離脱に。逆に調子が上がらないデイヴィースは先発降格の危機に瀕しており、来季にむけた去就問題も含めて注目が集まっているところです。(※最下部にはこの日に伝えられたブンデスリーガ内での移籍情報をまとめています。)

ウニオンのビェリツァ監督、リロイ・サネの顔面に暴行

 ウニオンが繰り出したカウンターの結果、ケヴィン・ベーレンスがコンラッド・ライマーによってPA内にて倒され、ウニオン側がPK獲得を主張したもののヴィレンボルク主審はプレー続行を判断。ボールがスローイングとなった際に、ウニオンのビエリツァ監督がボールを手にしていたのだが、それをリロイ・サネが強引に奪おうとすると、激しい口論の末にサネの顔を二度叩く、不適切な暴力行為に及んでしまったのだ。「あれは言い訳のしようもない」とケヴィン・フォクトは試合後にコメント。ビエリツァ監督自身もその考えはなかったが、それと同時に「かなり彼からの挑発行為を受けてのものだ」と説明。一方でトゥヘル監督は距離を置き、「あれは良くない」として相手監督と擁護することは「難しい」と付け加えている。

 いずれにしてもビェリツァ監督が、当初イエローカードを提示した主審に更に詰め寄って、レッドカードを受けて退場。それは当然の処分内容であり、あとは観客席からチームの敗戦を外から眺めていた。これからほどなく、ドイツサッカー連盟より調査結果と処分内容が明らかとなることだろう。試合後ビェリツァ監督は「監督として決して相応しい態度ではなかった。あれは決して良くないことで、決して許されないこと」と退場処分への理解を示しつつ、あくまで謝罪は「自分たちのチーム」に対するもので、サネに対するものではないとも強調。「私は自分のエリアにいた。そこでボールをサネに渡そうとしたのに、彼は私のところにずかずかと入ってきて、挑発行為に及んでいたんだ。当然、私としてはそこで反応してしまうものだよ」と言葉を続けた。

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ビェリツァ監督の愚行が、ウニオン今季2度目の解任劇に?

 確かに挑発行為を指摘するように、サネがボールをなかなか渡そうとしないビェリツァ監督に、一言か二言を口にしたことは想像できる。そしてそれは彼のような経験豊富な監督であれば、何事もないよううまく対応をみせるべきだったのではないだろうが、あえてそうすることなく観客席にまで自らを追い込み、さらにそこではバイエルンファンとの口論にまで発展。ここまでの事態となれば、監督解任劇にまで一気に進展をみせたとしても驚くべきことではないだろう。

 模範的姿勢を示すことが本分である指揮官のとるべき行動とはかけ離れており、また一部の選手たちはそもそもこの件に関わらずビェリツァ監督の厳格な方針に同意していないとも言われ、事実フォクトのように特に選手側から擁護する発言もなかった。そのためフィッシャー監督の後を受けてまだ7試合しか経過していないビェリツァ監督の去就について、クラブ首脳陣は再考を迫られているかもしれないが、ただいずれにしても日曜の重要なダルムシュタット戦は指揮官不在という中で戦うことを余儀なくされる。

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バイエルン「ショック」、絶好調ウパメカノが負傷離脱。ライマーとキミヒも負傷

 ダヨ・ウパメカノは水曜夜に開催された1.FCウニオン・ベルリン戦にて、前半終了後に交代を余儀なくされており、代わりには移籍後初出場となったエリック・ダイアーが起用。試合後バイエルンのトーマス・トゥヘル監督は、「彼はすでに検査を受けており、その結果は出ている。大腿裏の筋肉の筋損傷だ」と明かした。

 「彼自身にとっても、そして我々にとっても非常に残念なことだよ。いまの彼はほぼ変えが効かない状況なんだ。とても調子がよく意欲や闘争心に溢れ、フィジカルコンディションもとてもよかったのだからね。ショックだよ」

 なお離脱期間については特に明言することはなかったのだが、ただ数日程度の単位ではなく、数週間単位になると予想。さらにこの試合ではコンラッド・ライマーも負傷交代を余儀なくされており、ジョシュア・キミヒについても対人戦後、肩の治療を受ける様子が見受けられた。「2人については、夜を待たなくてはならないよ」と指揮官。

 週末のアウグスブルク戦に向けた出場の可否は木曜以降の判断ということになる。「ただ我々は不幸にあるのではないし、パニックになる必要もない」とも付け加えており、今冬の移籍市場における戦略変更を強いるほどのものとはみていないようだ。

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バイエルン:デイヴィースが先発外となるまでの経緯とその意味

 2019年冬にバイエルン・ミュンヘンは、当時まだ18歳だったアルフォンソ・デイヴィースをMLSのクラブ、バンクーバー・ホワイトキャップスから獲得。その年の秋にはトップチームでのチャンスが与えられ、それ以前に左サイドバックとしてプレーし当時はバイエルンの左側のCBを担っていたダヴィド・アラバのサポートの下、カナダが誇るスピードスターは一躍スターダムをかけ上げるかのうような活躍を披露した。

 だがそのアラバのレアル・マドリード移籍が、デイヴィースの停滞を招くこととなる。プレーに少し迷いが見受けられ調子が上がらない同選手は、プレー内容ではなくスピードばかりが話題となっており、そのことを以前から気にかけていたバイエルン首脳陣はキッカーが得た情報によると、クリスマス前に当時レアル・マドリードとの繋がりが指摘されていたデイヴィースに、直接プレーに満足していないことを明確に伝えていたようだ。

 それでも後半戦初戦となったヴェルダー・ブレーメン戦でみせたパフォーマンスでも、特に失点の場面におけるプレーのまずさなど精細を欠き、ついに今回のウニオン・ベルリン戦では先発メンバーから外される結果に。つまりはレアル・マドリード移籍の可能性が取り沙汰された快速サイドバックについて、2025年まで契約を残すバイエルンとしてはそこで、引き留めに入るべきか否かの決断を意味する。仮に延長で合意となれば、デイヴィースの年俸はおそらく成果に応じたボーナスをつけた、基本給1300万ユーロほどがみこまれるためだ。

右サイドバックではムキエレ獲得に期待

 ちなみにバイエルンではその逆サイドにあたる、右サイドバックにおいても今冬に補強を目指しており、昨夏に加入したケイン、そして今冬に加入したダイアーとともに、かつてスパーズでプレーしたキーラン・トリッピアーがその候補の1人となったものの、およそ1500万ユーロと言われるオファーに所属元であるニューカッスルが断りを入れたようだ。フロイントSDはスカイとのインタビューで「もう終わったこと。我々が行動にでるには100%の確信がなくてはならない」と手短に説明。一方でもう1人の候補であるのルディ・ムキエレへの期待感はまだ「もっている」ことも同時に明かしている。

この日に伝えられた、主なブンデスリーガの移籍情報

【ドルトムント】ジョヴァンニ・レイナ(MF:21)は出場機会の恵まれておらず移籍先を模索しており、現在はプレミアリーグのノッティンガム・フォレストと、リーグ・アンのオリンピック・マルセイユとの話し合いを進めていると英紙アスレティックが報道。まだドルトムントには正式なオファーはないが移籍に障害を置く考えはなく、買い取りオプションのレンタルが取り沙汰されているところ。
【フライブルク】ヤニック・カイテル(MF:23)がこの夏に対談することを認めた。来季からの加入に向けてすでに、シュツットガルトでのメディカルチェックをクリア。契約締結に臨むところ。一方でフローレント・ムスリジャ(MF:25)をパダーボルンから獲得。セットプレーを得意とするコソボ代表は2部で安定した活躍を見せていた。
【フランクフルト】ジャン=マテオ・バホヤ(FW:18)をアンジェSCOから獲得を模索。フランス期待のU19代表ウィンガーで、1vs1に強く、トップ下でもプレー可能。移籍金額は800万ユーロともいわれる。更にオーレル・アメンダ(CB:20)にも引き続き関心。ヤングボーイズが代替を見つければ今冬、さもなくば夏の加入が見込まれる。
【ヴォルフスブルク】ロコ・シミッチ(FW:20)獲得の可能性が浮上。キッカーが得た情報ではRBザルツブルクに既に接触も、今冬の獲得は複雑な状況のようだ。
【アウグスブルク】ダヴィド・チョリナ(DF:23)がデンマーク1部ヴァイレBKにレンタル移籍の見込み。そこで指揮をとるのは同胞クロアチア人のイヴァン・プレレツ氏で、若手時代にディナモ・ザグレブにて指導した間柄でもある。
【シャルケ】ジャスティン・ヘーケレン(GK:23)が半年間、ベルギー2部のK・パトロ・アイスデン・マースメヘレンに移籍。出場機会の確保を希望している。また2022年では注目を集めた上月壮一郎についても、自ら自分にプレッシャーかけすぎる様子が見受けられており、すでに退団の流れにある模様。伝えられるところではルーカス・ポドルスキが在籍するポーランド1部、ゴルニク・ザブジェに渡るようだ。
【キール】ミケル・キルケスコフ(SB:32)が復帰。この夏までの契約を締結した。昨夏まで2シーズン半に渡りキールに在籍し、それからポーランド1部ザグレビエ・ルビンと契約して9試合に出場したが、今冬をもって双方の合意により契約を解消。最近はキールにテスト生として練習に参加していた。
【ニュルンベルク】ティム・ハンドヴェルカー(SB:25)が今季いっぱいまで、オランダ1部FCユトレヒトにレンタル。前半戦で公式戦14試合に出場し2得点3アシストをマークも、さらなる出場機会の増加を求めていた。

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