2023/12/16

12分間の沈黙!投資家問題にアロンソ監督が持論展開

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 これだけ抑えれば、ブンデス通!今日1日ブンデスリーガニュースを、ドイツの視点でまとめて振り返る、『今日のブンデスリーガ』。12月15日のテーマは、ドイツで大きな話題となっている投資家参入問題と、今節12分間の沈黙の抗議を行なったサポーター、そしてレバークーゼンのシャビ・アロンソ監督の持論について紹介します。また後半部分では、この日に明らかになった【移籍情報】や【負傷情報】をまとめています。

 高騰化の一途をたどる移籍金、プレミアリーグの巨額なテレビ放映権料やオーナーからの潤沢な収入、注入されるオイルマネー、ファイナンシャルフェアプレー、スーパーリーグ構想やCL、W杯の改革、そして続々とスター選手たちが向かっていったサウジアラビアなど、サッカー界にとって『お金』の問題は切っても切れない中心テーマです。そして試合数増加による興行収入とそれに伴う選手の疲労、開始日時の変動などサッカーというカルチャーと向き合う議論は、これまでしばしば展開されてきました。

 そしてドイツでは今週、1つの大きな節目を迎えています。ブンデスリーガはデジタル化推進のための『戦略的パートナー』として、新たに投資家を募るための交渉に向けゴーサインを出しており、同時にファンたちが危惧するような試合開始日時などには責任をもたせないなど、文化と投資の両立をはかっていく考えを強調。しかしそれでもファン組織は今週末に開催されるブンデスリーガ1部2部全試合において、開始12分間は沈黙を保つ抗議運動を行う考えを明らかにしています。「疑わしい投資家に放映権を売り飛ばそうとするであれば、我々は力を合わせてブンデスリーガの貪欲さ、恣意性と戦い続けるつもりだ」と今回の抗議運動の理由について説明。「ドイツに根付いたサッカーという競技を、根底から覆すための攻撃だとみている」と付け加えました。

 特にドイツ・ブンデスリーガの大きな特徴として、欧州最高峰のリーグの1つでありながらも、いわゆる『50+1%ルール』によって一つの企業やオーナーがクラブの決議権の50%以上を持つことが禁じられており、バイエル製薬(レバークーゼン)やフォルクスワーゲン社(ヴォルフスブルク)のように例外はあるものの、その功績により特例として過半数の議決権が付与されたホッフェンハイムのディトマー・ホップ会長には、一部のファンたちから誹謗中傷が浴びせられ続けたことにより、先日には自らリーガへとその特権を返却したばかりです。

 そんな中でその例外的存在であるレバークーゼンで指揮をとり、またかつて現役時代ではリバプールFC、レアル・マドリード、バイエルン・ミュンヘンなどのビッグクラブで活躍したシャビ・アロンソ監督は、「私の見方では歴史的な伝統を重んじる事は、非常に重要なことです。しかし私たちは同時にサッカーを発展させていきたいとも思っています」と述べ、「そして私たちはブンデスリーガの一員として、発展を促進していくための正しい一歩というものを踏み出していかなくてはならない。そしてそのなかで、ドイツにおけるサッカーの基本的価値観は絶対に維持されていかなくてはならない」と持論を展開しました。

 「試合はドイツでも世界中で放送されているのです。スペインやアルゼンチン、日本にもファンがいるという事実を尊重しなくてはいけません。伝統を守るというだけでなく、将来に向けたビジョンも育んでいかなくてはならないでしょう。プレミア、ラ・リーガ、リーグ・アン、セリエAという激戦区に身を置いているのだから、ブンデスリーガは発展し続けていくしかない。だが長年守り続けてきたものは維持した上で。サポーターたちの存在は非常に特別なものですからね。でもそこで恐れず、建設的に前向きにいくこと。立ち止まっては、なかなか物事はうまくいくものではありませんよ」

主な移籍情報

フランクフルト:移籍専門家ファブリツィオ・ロマーノ氏によると、マンチェスター・ユナイテッドと口頭ながらクラブ間合意。26歳のオランダ代表MFは今季いっぱいまで、レンタル移籍で加入する見込み。ただし契約には1500万ユーロでの買取オプションも付随する予定。

レバークーゼン:アフリカ杯で5選手を失う可能性のあるアロンソ監督は、「まずは年内2試合に集中。1月はじめに話し合うが、改善につながるということであれば、選手の補強の可能性は閉ざすものではない」とコメント。ボニフェイス不在に備え、最近シックが復調をみせるも、1年離脱を踏まえまずは慎重に見極めたいようだ。

ライプツィヒ:以前よりMLSニューヨーク・レッドブルズへの今冬移籍が指摘されているエミル・フォルスベリについて、ローゼ監督は年内最後のホーム戦での起用を明言。そして9年過ごしたライプツィヒに別れを告げ、サンドロ・シュヴァルツ監督就任のレッドブルズに渡る。

主な負傷情報

ウニオン:ゴセンス(打撲のため年内残り2試合欠場)

ドルトムント:【欠場】フメルス(出場停止)、リエルソン(膝)、【疑問符】サビッツァ(ふくらはぎの問題と風邪)、アデイェミ(足首の問題)、エズカン(腰の問題)

フランクフルト:【欠場】マーモウシュ(出場停止と風邪)代役候補は同じく風邪を患い回復したチャイビ、 【疑問視】エビンベ(左足のかかとを負傷)、トラップ(腰)、スキリは復帰も先発のオプションではないとのこと。

ダルムシュタット:【欠場】ホルンビーが金曜に足首を手術。メーレム(腓骨骨折)とマヌ(足首の問題)に続く長期離脱、ツィマーマン(深い裂傷)も欠場。【疑問】バーダー(股関節の問題)

ハイデンハイム:【欠場」トーマラ(体調不良)、【疑問】トラオレとブッシュ(ともに負傷)

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