2023/12/20

今年の顔レバークーゼン、浅野拓磨が三度「待った」?

©︎Getty Images

 これだけ抑えれば、ブンデス通!12月19日のブンデスリーガニュースを、ドイツの視点でまとめて振り返る、『今日のブンデスリーガ』。本日のテーマは今晩開催される注目の一戦、今シーズンに入ってから公式戦いまだ負けなしのバイヤー・レバークーゼンと、そこに挑むVfLボーフムとの一戦を中心に解説します。

ドイツサッカー激動の2023年度

 いよいよ2023年度のドイツサッカーも、本日12月20日をもって終焉を迎える。屈辱2大会連続ワールドカップ敗退、ナーゲルスマン監督の電撃解任、バイエルンの3大会連続CL8強敗退、日本代表戦後のドイツ代表フリック監督の解任、そしてナーゲルスマン体制始動と変わらぬ不振、ブンデスリーガの新たな投資家招聘問題など、自国開催のユーロイヤーを翌年に控えるなか、代表、クラブともにまさに激動の1年を過ごしたといえるだろう。そしてその1年の最後を締めくくるこの日、なんといっても注目の一戦となるのが、今季ここまで公式戦25試合連続無敗中のバイヤー・レバークーゼン。これはブンデスリーガのクラブとしては1986/87シーズンにハンブルガーSVが樹立した記録に並ぶ数字であり、本日の勝利によって新たな歴史の1ページが記されることになる。

無敗のレバークーゼンにボーフムの悪夢、再び?

 「余り考えたくない。結果的に達成できればいいが目指す訳ではない。この試合も次も勝ちたいし,年明けからまた良い状況であり続けたい。これだけ好調なら記録もついてくる。しかし私の焦点はそこではない」とアロンソ監督。ただそこに立ちはだかるのが奇しくも、最後にレバークーゼンが敗れた相手VfLボーフムだ。当然ながらレッチュ監督も「今季のレバークーゼンは印象的だね。だいぶ前の話だが喜んで振り返れるよ。現在は見事な快進撃で、そこで次に立ちはだかるのが我々だ」と無敗記録ストップに意気揚々。特に前節CL出場のウニオン・ベルリンを相手に3−0と快勝した勢いに乗っていきたい。

浅野拓磨「ハンジ・フリック?何それ」

 とりわけ先制点を決めた浅野拓磨は、そのときの『チョコの拾い食い』でもドイツで大いに話題となった。浅野がドイツで話題となったといえば、なんといってもドイツ代表監督について問われ「ハンジ・フリック?なんですかそれ?」とインタビュアーに返答した場面であり、決して悪気があった訳ではなくうまく聞こえなかっただけなのだが、これがドイツ代表不振の象徴的場面として瞬く間に拡散。その半年後のW杯での敗戦後でも、この場面はSNS上で再燃する結果にもなった。

浅野拓磨、チョコの拾い食いでも再び話題に

 ちなみに今回拾い食いしたチョコというのも、ファンがブンデスリーガの投資家招聘問題に抗議すべく、皮肉としてピッチに投げ込んだコインチョコの1つを、片付けるついでに1つ摘んだもの。無論こちらも深い意図があった訳ではないだろうが拡散。特にその後に貴重な先制弾を決めたことも相待ってドイツの国営放送ARDのスポーツ番組Sportschauでも取り上げられるほどに。その点でみれば浅野拓磨もまたある意味で、今のドイツサッカーを最も象徴する日本人選手といえるのかもしれない。この1年のドイツサッカーを象徴するハンジ・フリック、投資家問題に続き、今度はレバークーゼンの歴史的な無敗街道にこの男が「待った」をかけるのか、大いに注目だ。

両チームともに中盤の主力が不在

 なおこの試合でレバークーゼン、ボーフム共に中盤の主力選手が不在という事態に。前節のウニオン戦でダメ押し点となるPKを沈めたボーフムのケヴィン・シュテーガーと、そしてレバークーゼン側は「自分のプレーをもち、代表でも飛躍した重要な選手」と位置付けるパラシオスが出場停止。代役候補としてはロベルト・アンドリヒが最有力といえるだろうが、それでもアロンソ監督は「グリマルド含め十分選べるよ。チームには前節の集中力と質を期待してる」と、決して手の内を明かそうとはしなかった。

【先発予想】

レバークーゼン:フラデツキ – コスヌ, ター, タプソバ – フリンポン, アンドリヒ, G.シャカ, グリマルド – ホフマン, ボニフェイス, ヴィルツ
負傷,etc.:アルトゥール (大腿), パラシオス (出場停止)

ボーフム:リーマン – ガンボア, エーアマン, K.シュロッターベック, ベルナルド – ルジア, オスターハーゲ – ベロ – 浅野拓磨, アントウィ・アジェイ – パシエンシア
負傷,etc.:オルデッツ (大腿), シュテーガー (出場停止),

主な移籍情報

バイエルン先日のマヌエル・ノイアーに続いてトーマス・ミュラーもまた、来夏までとなっていた契約をさらに1年間、2025年まで更新したことが正式に発表された。「バイエルンでの僕の旅が、これからも続いていくことを嬉しく思っているよ」とミュラーは述べ、「クラブとして成功を収められるよう、自分に課せられた役割を果たしていきたい。チームを構成する要素となり、正しい方向へと導いていける手助けができるように。そしてファンにいスピレーションを与えたいと思う。得点、得点への関与、プレー愛、サッカーへの情熱、そしてできる限り多くのタイトルを手にしていきながら」と述べた。特に視野に入れているのは2025年にミュンヘンで開催される、チャンピオンズリーグ決勝での戴冠での有終の美を飾る姿であろう。

日本人選手情報

グラードバッハ:フランクフルト戦に向けた会見でセオアネ監督は、欠場が続く板倉滉の現在の状態について説明。「期待していた感じでの回復をみせているよ」と朗報を伝えつつも、「しかしながら今回のフランクフルト戦には間に合わない」とのこと。そのため日本代表ディフェンダーはまずは母国・日本へと帰国し、それからアジアカップへの出場を経た後で、2月から再びグラードバッハにてブンデスリーガでの戦いに臨む流れであることが明らかとなった。

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